【国際交流リレーエッセイ第74回】 韓国留学前半を振り返って
2025/07/08
国際交流リレーエッセイ第74回目は、今年2月に韓国で協定校留学をスタートした木内 優愛さん(人文社会学類3年)による、留学前半を振り返るエッセイです。
私は将来、日韓の魅力を発信し、相互の平和を深められる国際的な職業に就きたい。そのため、日本にいては感じることができない、韓国の人々のリアルな願いや悲しみ、喜びをこの目で見たいと思い、韓国留学を希望するようになった。私は大学入学当初から韓国留学を希望していたため、韓国への留学が決定した時は家族や友人、親戚も一緒に喜んでくれた。私自身も念願であったため、喜びと期待で胸がいっぱいだった。
2025年2月から始まった韓国留学のうち半分が終了した。韓国で過ごした半年を振り返ると本当にあっという間で、毎日が新しい発見の連続だった。楽しい思い出も沢山作ることができ、出会いや経験が私を大きく成長させてくれた。自分の成長を感じる喜びの瞬間も多く、韓国の仲間に出会えたことを心から感謝している。
私は前期、培材大学で学部の授業を受講した。学部の授業が始まった頃は韓国語での授業のスピードに追いつけず授業を負担に感じていた。しかし、次第に韓国語での授業に耳が慣れ、内容を理解できるようになっていった。学部の授業では、韓国の時事問題や政治、歴史について学んだ。私は授業を受講しながら韓国の人々の誇りや喜び、そして歴史によって刻まれた複雑な感情や深い悲しみに触れることができた。
同時に、現在の韓国社会が直面している課題や変化にも目を向け、そういった背景を理解することで、韓国が今後どのような可能性を持ち、どの方向へ進んでいくのかについて考えるようになった。ただ知識を得るだけでなく、その背景にある人々の思いや歴史の重みを感じながら学べたことは、私にとって非常に貴重な経験となった。
サークル活動「pikapika」では、現地の学生と交流を深めることができた。韓国の伝統遊びを体験したり、韓国の芸能人や文化に関するクイズをしたり、ドッジボールをして遊んだ。1番楽しかった活動は、学内宝探しだ。広いキャンパスを歩き回りながら、友人と協力してヒントを探す中で、自然と会話も増え、仲が深まった。建物の名前や教室の配置など、普段はなかなか気づかない韓国の大学の構造や特徴を知るきっかけにもなり、とても新鮮だった。ゲーム感覚で楽しみながら、言語の壁も越えて仲良く交流できたことは大切な思い出の一つだ。
放課後は、サークルで出会った友人とカフェで話したり、お互いの言語を教え合い時間を過ごした。もともと留学の目標のひとつは、韓国の友人と出会い、楽しい思い出をたくさん作ることだったので、その時間は私にとって本当にかけがえのないものとなった。会話を通じて、日本の文化や魅力についても自然と伝えることができ、お互いの国に対する理解も深まったように感じる。また、留学生活の中で感じた不安や悩みを打ち明けることができたのも、心から信頼できる友人がいたからこそであり、そんな交流を通して何度も喜びや安心を感じることができた。
休日は大好きなアイドルのコンサートに行ってリフレッシュしたり、友達とソウルで買い物をしたり、韓国の美味しいグルメを堪能して過ごした。アイドルのコンサートでは、韓国ならではの迫力ある演出や照明やステージ構成に圧倒され、推しの魅力をより一層感じることができた。また、ファン同士が自分の推しを応援するために配る「ソンムル」文化(※)にも初めて触れ、温かくて情熱的なファンの雰囲気に驚かされた。同じ推しを応援する者同士で自然と仲良くなり、日本ではなかなか体験できない新しい楽しみ方を実感することができた。推しと過ごす特別な時間は、留学中の癒しであり、心の支えにもなった。
※「ソンムル」文化とはコンサート会場でオタク同士がプレゼントを交換し合い、親睦を深める文化。プレゼント内容は、自作のトレカやシール、カードケース、小分けのお菓子などが多い。
ソウルでは韓国の有名ファッションブランドや最先端のスイーツを堪能することができ、街を歩くだけでもトレンドを肌で感じることができた。流行に敏感な人々のファッションや、SNSで話題のカフェ、スイーツに触れるたびに、「さすが韓国」と驚かされることが多かった。韓国の今を体感できるソウルの街は、刺激にあふれていて、毎回ワクワクする気持ちでいっぱいだった。
留学の半年が終わった今、様々な学びや出会いを通して喜びや達成感を感じる。今後も努力と挑戦する気持ちを忘れずに、残りの半年間も成長できる留学生活を過ごしたい。
人文社会学類3年 木内 優愛