尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ第52回】韓国留学を振り返る

2024/02/26

国際交流リレーエッセイ第52回目は人文社会学類の太田美岬さんです。太田さんは、2023年9月から2024年12月まで韓国の協定校、培材大学に約4か月間留学しました。

                         韓国留学を振り返る

私は2023年9月から12月末までの4か月間、韓国の培材学校での指定校留学を経験しました。これは私にとって初めての海外生活であり、初めての渡韓でした。しかし、この4か月という期間を通して、これまで画面上で見てきた「韓国」とは一線を画す魅力に触れ、培材大学での生活は非常に充実したものでした。

留学を決意した背景には、「大きなことを成し遂げたい」という強い思いがありました。1、2年はコロナ禍の中で何もできず、3年次には就職活動に追われる雑然とした大学生活を送ってきました。そんな中で「せっかくの大学生活をこのまま終わらせていいのだろうか」と考え、自らの成長を求めて留学を選びました。韓国の音楽や文化に興味を持っており、異なる環境と文化の中で韓国語を学びたいという欲求も留学の決断に繋がりました。


培材大学の語学堂では、平日3時間にわたり留学生向けの韓国語の授業が行われていました。最初の授業では、レベルテストを受け、その結果に応じて受講できるクラスが割り当てられました。私のクラスには約15人の留学生がおり、そのうち日本人留学生は7人でした。留学生向けの語学堂に通っていたこともあり、授業内で韓国人と関わる機会は先生とのやりとりぐらいしかなかったです。韓国人との交流を望む方には、日韓交流サークルへの参加を強くお勧めします。

私が参加した「なかま」という日韓交流サークルは、日本学科の学生が運営しています。日本に興味を持った学生が数多く参加し、毎週様々なイベントが開催され、韓国人との交流の場となりました。印象的だったのが、私の韓国語がまだ上手くないことを察知したサークルの仲間が、積極的に日本語でのコミュニケーションをとってくれたことです。その心遣いに触れることで、初めての異文化交流でもリラックスして参加でき、言葉のハードルを感じることなくメンバーと深い交流を築くことができました。


留学体験を通じて学んだことは多岐にわたりますが、特に印象深いこと挙げるとすれば、まず日本に対する好意的な態度に触れたことです。過去に韓国での反日運動のニュースを見た経験から、不安を感じていましたが、実際に訪れると日本の文化に興味を持っている方が多く、親しみやすい態度で接してくれました。街を歩いていると、日本食レストランやアニメのキャラクターをデザインした商品、そして日本語の看板が目につき、日本の文化が広く受け入れられていることを感じました。先入観を払拭し、異文化への理解が深まる良い経験となりました。


一方で留学中に自身の語学力不足を痛感しました。会話のなかで相手の発言を理解することが難しく、悔しい思いをたくさんしました。そのせいで円滑なコミュニケーションができなかったことが多々ありました。これが留学生活の中での課題でした。しかし、この課題に直面したことで、勉強の方法を見直し、語学への意識を大きく変えることができました。

最後に、留学を考えている方々に向けて、「まず一歩踏み出してほしい。」というメッセージを送りたいです。語学力の向上だけでなく、困難に立ち向かい、それを乗り越える経験は、あなたをより強く、柔軟で成熟した個人へと導きます。未知の土地での新たな生活は挑戦的かもしれませんが、その先に広がる学びと喜びは計り知れません。

パスポートを手にし、未知の世界への一歩を踏み出してみてください。それが、あなたにとって人生を豊かにする冒険の始まりとなるでしょう。

人文社会学類4年 太田美岬