尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ第49回】韓国留学を終えて

2024/01/18

国際交流リレーエッセイ第49回目は人文社会学類の宮島未羽さんです。宮島さんは、2023年2月から2024年1月まで韓国の協定校、培材大学に約1年間留学しました。

                          韓国留学を終えて    

2023年2月23日から始まった韓国・培材大学への韓国留学。前期の学期を無事終えて、ついに留学の後半戦ともいえる後期の学期が始まった。今回のエッセイでは、後期の間の出来事と、留学を終えての感想を記そうと思う。  

まずは培材大学での授業について。私は、前期の間はずっと語学堂で韓国語の授業をメインに受けていたが、後期からは留学生専用の学部の授業を受けることになった。私が履修した授業は、「書き取りと読み取り」「韓国社会との出会い」「大学韓国語」「韓国文化の理解」という4科目である。1つ目の「書き取りと読み取り」の授業では、韓国語の分かち書きの方法や、韓国人の中でも間違いが多い言葉など、韓国語を書く際に気をつけるべきことを学んだ。また、韓国語の物語をいくつか読み、そこから読み取れることを考えるなどして、韓国語の文章に慣れる練習もした。2つ目の「韓国社会との出会い」では、韓国社会で起きた出来事について、昔のことから現代に至るまでの多くの事柄を学んだ。3つ目の「大学韓国語」では、韓国語の文法を主に学び、学んだ文法を使ったグループワークなどが行われた。そして最後の「韓国文化の理解」では、科目名の通り韓国の文化にはどういったものがあるのかを学び、それについて理解を深めるという授業だった。  

学部での授業は、前期の語学堂で受けていた韓国語メインの内容とは大きく変わり、韓国の文化や歴史について学ぶことがメインの内容だった。韓国の文化や歴史について、私は中学校や高校の授業内で学んだ歴史の内容や、SNSを通して得た情報しか知らなかった。しかし、今回の授業を通して、どういう経緯でその文化が広まったのか、歴史的事象の背景は何かといったように、日本では学ぶことができなかった細かい内容まで学ぶことができ、毎日が新しい発見と学びの連続でとても新鮮だった。


そして生活面については、何もかも初めてで慣れないことだらけだった前期の頃とは変わり、後期の授業が始まる頃には韓国での生活にも少しずつ慣れてきた。そのおかげで、前よりもさらに楽しい日々を送ることができた。この楽しい日々の中で、私は特にカフェ巡りをすることに夢中になった。留学に来る前から韓国にはカフェが多いという話をよく耳にしていたが、実際に韓国に来てみると、想像をはるかに超えるほど多くのカフェがあり、カフェの隣にカフェが並んでいるくらいだった。前期の頃はカフェにいつも友達と行っていたが、生活に慣れてきた後期からは1人でもカフェ巡りをするようになった。友達と一緒に行き、会話を楽しみながら過ごすカフェでの時間も楽しいが、1人でカフェに行き、お店の雰囲気を楽しんだり、コーヒーやデザートをゆっくり味わったり、リラックスしながら過ごす時間がとても幸せだった。こうしてカフェ巡りという新しい自分の趣味を発見することができた。これもカフェが多い韓国に来たからこそ発見することができた新しい自分の一面であり、自分を知るきっかけにもなったので、本当に韓国に来て良かったと強く感じた。


この他にも自分を知るきっかけになった出来事はいくつもあった。例えば、寮での共同生活をするときや他の留学生と会話をするとき、韓国人と会話をするときやサークルで交流会を行うときといった場面で、対人関係を築く際に自分がどういったことを意識しているかについて気づくことができた。人と関わるうえで、自分の他者とのコミュニケーションスタイルはどんな感じなのか、また自分が苦手とする場面は何かといったことを考えるようになったのだ。これは、他国で生活していくための「コミュニケーション能力」という意識を常に念頭に置きながら生活していたからこそ、気づくことができたことだと思う。このように、留学中は日本では気づくことができなかった自分自身について知ることができる有意義な時間になった。  

そして、私には韓国留学中にハイレベルな韓国語能力を習得するという目標があり、留学終了までにTOPIKⅡの最上級である6級を取得するのが1番の目標だった。そのため、前期に行われた韓国語のレベル分けテストでいい成績を残せず、学部の授業を聞くことすらもできないとなったときは、焦りとともに自分の語学レベルの低さを痛感した。しかし目標を達成するためにもここで立ち止まるわけにいかず、前期の語学堂での授業や、後期からの学部での授業時、韓国人とのコミュニケーションをする際には、常にどれだけ自分に韓国語のスキルを吸収することができるかを考え、できるだけ韓国語に多く触れる時間を作るなどをして、語学能力向上に向けて日々を過ごした。その結果、日常生活を過ごす上では困らないレベルにまで韓国語も上達し、最終的に1番の目標であったTOPIKⅡの6級に合格することができた。
韓国に来たばかりの頃は言葉も通じず、毎日が不安でこの先ちゃんとやっていけるのかという心配ばかりしていた。しかし途中であきらめて投げ出すことなく、日々コツコツと自分ができることを続けてきたことがこうして結果に残ると、留学に行くという選択をして良かったと心から感じた。

また、留学に来てから、諦めないことの大切さやコミュニケーションの大切さ、他にも異文化を学ぶ面白さ、人々の優しさ、自分自身のことについてなど、多くの学びがあり、留学は自分の人生にも大きな影響を及ぼす良い経験になったと思う。留学は終わってしまったが、留学中に学んだことを無駄にしないよう帰国後も韓国語の勉強を続け、最終学年となる4月からは留学中の経験を日々の学校生活に活かし、気持ちを引き締めながら頑張っていこうと思う。


人文社会学類3年 宮島未羽