尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ 第43回】アメリカ留学を終えて

2023/05/08

国際交流リレーエッセイ第43回目は人文社会学類の大貫俊悟さんです。大貫さんは2022年9月から本学の協定校、アメリカワシントン州立オリンピックカレッジに留学し、2023年3月末に帰国しました。

アメリカ留学を終えて


私は2022年の9月にアメリカ合衆国のワシントン州シアトル近郊のブレマートンという地域にある、ワシントン州立オリンピックカレッジに英語の技能の向上を目的として留学した。1月から3月下旬までの体験と、留学を終えての感想を記そうと思う。

アメリカでの正月は短く、1月4日から新学期が始まった。今学期は現地の学生たちと同じ授業を受けた。私が取った授業は英語と体育の授業だ。英語は週1回2時間で筆記を中心としている。体育は週3回1時間の筋力トレーニングの授業だった。私の留学の目的は英語の会話能力の向上を一番としていたため、今期も放課後の使い方が重要だった。
放課後は前学期と変わらず国際交流センターで現地の人たちと積極的に交流するようにしていた。カンバセーションパートナープログラムという登録した現地の学生と留学生が週1回1時間会話をして交流する機会が設けられるプログラムがあった。現地の学生の人数が余っていると聞いた私は、お願いして会話パートナーを4人持たせてもらった。おかげでパートナーになった学生全員と毎回充実した時間を過ごすことができた。他にも国際交流センターでは多くの友達ができた。
その友達が毎週月曜日の夜に行われる教会のイベントに連れて行ってくれた。私はこの機会を逃さず毎週参加させてもらった。誰もが暖かく接してくれ、また、友達も作ることができた。アメリカでは、友達がその友達を私に紹介して輪が広がるという場面に頻繁に出くわすと感じた。友人たちとは休日も一緒に遊び、自宅や映画館などいろいろな所に連れて行ってもらい大変世話になった。このようにして私は後期の留学生活を過ごした。 

大学の友人たち

大学の友人たち

日本に帰国する一週間前にワシントンDCに旅行に行った。ワシントンDCはアメリカ合衆国の首都で、明確にどこかの州の中にあるわけではなく、メリーランド州とヴァージニア州を跨いで位置している。
ここにはたくさんの観光名所があり今まで訪れた観光地の中で間違いなく1番楽しめた。私はホワイトハウス、国会議事堂、博物館を3つ、美術館を2つ、リンカーン記念党などを訪れたが、一番印象強いのはワシントン記念塔の頂上から一望したワシントンDCだった。この塔に昇るチケットを取るために早起きして朝8時から長い列に並んだ。私らがチケットを手に入れた直後、係員が今のチケットが最後だと言い放ち周りは騒めいた。私と同行者はにやけながら、まるで罪を犯したかのように走ってその場を去ったのは鮮明に記憶に残っている思い出だ。

ワシントン記念塔

ワシントン記念塔

次に、私が1月から帰国までの間で新しく感じたことや考えたことについていくつか記そうと思う。

1月からは今まで多くの日本人の留学生と一緒に授業を受けていた環境とは変わり、現地の学生と一緒に授業を受けることになった。授業中に講義を理解するのは非常に難しかったが、現地の学生が普段どのような態度で授業を受けているのかを知ることができた。印象に残っていることは2つだ。
1つ目は、ほとんどの人が教員、学生かかわらず挨拶を交わすということだ。多くの人が顔見知りでなくても「おはよう」「調子はどう」「良い1日を」と挨拶を交わす。なんて素晴らしい習慣だろうと思った。日本の大学でこのような光景を見ることはほとんどないと思う。
2つ目は、授業中の質問の数が多いことだ。彼らは細かい事でも質問して授業の理解を深めており、他の学生もそれに呼応して質問やコメントをしていた。

今回の留学全体を通して、友達や顔見知りが増える速度が日本に居た頃に比べて非常に早いと感じた。彼らは友達と一緒にいて別の友達に出くわすと、間を取り持てる方がすぐに連れを紹介する。そして紹介された人はすぐ相手の事を知ろうと色々質問する。こういった場面に私自身も度々出くわしたため、初めて教会やホームパーティーに行った日は知り合いになる人の数がとても多かった。そこで仲良くなり、そして遊ぶようになり本格的に友達になっていくという流れを体験した。友達が友達を呼ぶと実感した。

帰国日前夜

帰国日前夜

この約7か月のアメリカ留学は長いようで短く感じたが、とても充実していた。私の留学を支えてくれた全ての方に感謝する。
私の脳は何回も衝撃を受け、渡米する前に比べて明らかに価値観が変わった。時間の使い方もより有効に使おうと思うようになった。
こういう時よく価値観が変わると耳にするが、私自身一体全体何が変わるのだと思っていた側の人間なので、ここで私の場合を1つ軽く言うと、自分の中で海外に行くことへのハードルがとても下がった。海外へ行きたいなら行けばいいではないか、パスポートと情熱を持ってすぐに行ってくればいいと。

これからも英語の学習は続けていこうと思う。そしてまた外国に行って様々な経験をしたい。それがもう既に楽しみで仕方がない。

僕とホストファミリー

僕とホストファミリー

人文社会学類 大貫 俊悟