尚絅学院大学

教育理念・目的

尚絅学院は、明治以来130年余にわたり、一貫してキリス卜教の精神を土台とする人間教育を行ってきた伝統ある学園です。長い歴史の中で、常にその時代その社会に生きる人間のあるべき姿を追求してきました。21世紀を迎えた現代の社会は、たとえば高齢化社会、そこで不可欠な生涯学習、文化の国際化、世界各地で未だ絶えない紛争等、人間の営みに関する多くの課題があります。それを見れば、世代、性別、国境等の壁を超えて、人々が「共に生きる」道を尋ねる尚絅学院の建学の精神とその使命は、21世紀の社会においてますます重要な意味を持ってくることは明らかです。そこで本学は、尚絅学院の建学の精神をしっかりと受け継ぎ、「キリスト教精神と豊かな教養によって内面をはぐくみ、他者への愛と奉仕の心をもって社会に貢献する人間を育成する」ことを教育理念としています。

この目的を達成するため、本学では、学生の将来を見据え、学生本位の教育を実現するために2019年度より学群制を導入し3学群5学類としました。本学院の初代校長アニー・ブゼルの教育方針は、「時代を生き抜く力は、単なる物知りでなく、働ける人物即ち自己の生存する時代の要求に応ずることのできる者を養う。」というものであり、これは従来の知識の体系的な修得から、課題(他者)への貢献に焦点を当てた「時代の要求に応える力」を、一人ひとりの興味や関心に即して身につけさせるということです。今回の学群制の導入により、教員が一つの学系に所属することで、学生の教育のニーズに応じて、必要とされる教育に当たることが可能となり、学生一人ひとりの学びの最適化により、世界や地域の現状に応じた分野横断的な教育・研究が促進されることも期待できます。さらに、学生の皆さんには、本格的なパイプオルガンを備えた礼拝堂での礼拝やクリスマスなどのキリスト教関連行事、被災者に寄り添い継続的な支援を行っているボランティア活動などにも積極的に関わり、本学での多彩な経験、他者とのつながりを通して、真の人間力に磨きをかけていただくことを期待しています。

学群および各学類の目的

人材の養成に関する目的その他教育研究上の目的

学群・学類 養成する人材像・教育研究上の目的
人文社会学群
人文社会学類
  • 現代社会の様々な課題に明確な問題意識を持って向き合い、他者と協働して課題解決に貢献できる人材を養成する。
  • 現代の社会とそれを構成する人間についての理解、及び人間が生み出す文化、コミュニティ、及びそれらの相互関連や人間や社会の環境との関わりを理解し、複眼的視点で現代社会の課題解決に主体的に取り組む能力を身につけることを目的とする。
心理・教育学群
  • 豊かな想像力と他者への共感力を有し、理論に裏付けられた高度な教育学的・心理学的専門性と実践力を身につけた専門家を養成する。
  • 人間の心や行動、発達や人間関係などを科学的に研究でき、同時に地域社会のために適用し実践できる能力の修得を目指す。
心理学類
  • 人間を様々な角度から理解し、他者への想像力が豊かで、共感力をベースとしたカウンセリングマインドをもった人材を養成する。
  • 様々な心理学を学び、人の心の働きと行動のメカニズムや法則性をデータに基づいた実証的な態度で科学的に解明する。深い洞察力と同時に人や地域に役立つ実践的な学問を身につけることを目的とする。
子ども学類
  • 子どもに関する十分な知識と援助技術を身に付け、子どもの最善の利益を守る倫理観を有する感性豊かな人材を養成する。
  • 子どもを科学的・総合的に理解し、その全人的な成長・発達に向けた支援と教育に取り組み、保護者の相談や対応に優れ、地域の子育て支援にも貢献できる「子どもの専門家」としての能力の修得を目指す。
学校教育学類
  • 多様化する学校教育現場に即応できる資質・能力を身に付け、児童・生徒・保護者と信頼関係を築くことができる専門家、及び子ども一人ひとりに学ぶ楽しさ、知る喜びを味わわせることのできる教育の専門家を養成する。また、小学校教育と中学校教育を視野に入れた高い水準の理論と実践力を身につけた専門家を養成する。
  • 学校教育現場の課題を解決する能力、分る授業を展開する能力の修得を目的とする。また、児童・生徒、保護者との人間関係調整能力、及び自己啓発力を身に付け何事にも意欲的、主体的に取り組む能力の修得を目的とする。
健康栄養学群
健康栄養学類
  • 「食と健康」に関する専門知識や技術を習得するとともに、人を思いやる心や人に伝えるコミュニケーション能力を持った人間性豊かな人材を養成する。
  • 個々の生活者の生活環境や特性に応じた望ましい生活のあり方を食・栄養を中心に提案し、その実現に向けて総合的に支援できる能力を身につけることを目的とする。