尚絅学院大学

人文社会学類 お知らせ

【学芸員課程】博物館実習体験記(6)――いわき市立美術館

2026/01/16

 人文社会学類学芸員課程(本学准教授・正田倫顕担当)では、3年の夏から秋にかけて学外の博物館で実習をしています。実習生一人一人が瑞々しい感受性新しい経験を受け止め、充実した学びを通して成長しています。その体験記の六回目を岩間清咲さんに執筆して頂きました。

人文社会学類 岩間 清咲

 私は
2025731日から88日までの8日間、福島県のいわき市立美術館博物館実習を行いました。展示資料保存作業展示作業の補助、資料調査SNS広報文の作成など、多岐にわたる業務を体験させて頂きました。
 地元の美術館であり、幼い頃から何度も訪れていた場所で実習ができたことは、感慨深く、非常に貴重な経験となりました。

いわき市立美術館の外観

いわき市立美術館の外観

 中でも特に印象に残っているのは、資料保存の現場に触れたことです。歴史的・文化的に価値が高い資料は、適切な温湿度管理光量調整防虫処理など、細心の注意を払って保存されていました。劣化が進んでしまった資料は一度失うと元に戻らないという現実を目の当たりにし、資料を未来へ伝えていく学芸員責任の重さを実感しました。
 資料の搬入ラベルの貼り付け、展示ケース内のレイアウト調整など、地道な作業も体験させて頂き、その一つひとつに深い意味があることを学びました。

彫刻作品の洗浄にも取り組みました

彫刻作品の洗浄にも取り組みました

 展示作業では、ただ「モノを並べる」だけでなく、「来館者に何をどう伝えたいか」を考え、視覚的にメッセージを届ける工夫が求められました。キャプション言葉選び一つにも意味があり、作品の魅力を伝えるのは創造的な仕事であると学びました。自分の提案が実際に採用されたときは、大きな達成感とともに、「伝える楽しさ」を強く感じました。

「谷川俊太郎 絵本★百貨展」の展示

「谷川俊太郎 絵本★百貨展」の展示

 また、SNS広報文の作成では、「誰に・何を・どのように伝えるか」という視点の大切さを学びました。私は企画展「日本の巨大ロボット群像」に関して、X投稿をさせて頂きました。表現の工夫によって、まったく違った印象を与えることに気づき、情報発信の奥深さに引き込まれました。
 他大学の実習生との交流も非常に刺激的で、多様な価値観表現方法に触れ、自分の視野が大きく広がりました。

Xの投稿内容

Xの投稿内容

 最終日には、「光と空間のアート展―自分だけのステージをデザインする―」という企画展を考案しました。来館者が能動的に関わる、参加体験型の企画展を目指しました。展示は「見るもの」から「感じて、考えて、創るもの」へ変わりうることを実感しました。
 この実習を通して、これまで憧れだった「学芸員」という職業身近になっただけでなく、責任感専門性が求められる仕事であることを肌で感じました。資料と向き合い、展示発信を通じて人々の心を動かせるとてもやりがいのある魅力的な仕事だということも深く理解しました。
 今後もこの経験を糧に、「社会と文化をつなぐ」ことを目指して、楽しみながら成長していきたいと考えています。ありがとうございました。

岩間清咲さん

岩間清咲さん

関連リンク