【学芸員課程】博物館実習体験記(2)――仙台うみの杜水族館
2025/12/28
人文社会学類の学芸員課程(本学准教授・正田倫顕担当)では、3年の夏から秋にかけて学外の博物館で実習をしています。実習生一人一人が瑞々しい感受性で新しい経験を受け止め、充実した学びを通して成長しています。その体験記の二回目を角田凜衣さんに執筆して頂きました。
人文社会学類 角田 凜衣
私は2024年9月9日から5日間、仙台うみの杜水族館にて実習を行いました。「ペンギンフレンドリータイム」などのイベントを通じ、来館者に動物の生態を分かりやすく伝える方法を学びました。単に「可愛い」だけでなく、動物への理解を深めてもらうよう努めました。
ふれあいイベントの様子1
実習では、給餌や健康・衛生管理のほか、「展示調査」を実施しました。バイカルアザラシとアメリカビーバーの展示水槽を対象に、来館者の滞在時間や反応を定量的に調査しました。バイカルアザラシは見るたびに違う行動をしていて、飽きずにずっと見ていられました。また来館者がいない時間帯には、水槽を独り占めでき、癒しの時空間でした。
むちっとボディがたまらない
今回の実習を通じ、学芸員の仕事は「展示すること」だけでなく、その裏側にある「調査研究」と命のいつくしみの上に成り立っていることを学びました。水族館は、単なるレジャー施設ではなく、自然科学を普及させ、種の保存を担っています。展示の裏側にある妥協のない衛生管理や、日々の詳細な記録を知ることができ、博物館(水族館)に対する視野を大きく広げることができました。
ふれあいイベントの様子2
なによりも、大好きな動物たちを相手に実習ができ、楽しい時間を過ごすことができました。残念ながら、実習中に死んでしまう動物もいましたが、解剖を通して死因を究明し、飼育環境の改善や再発防止に取り組まれていました。一頭一頭の命を繋ぐことの重みと、科学的な検証の重要性を深く学びました。普段何気なく遊びに行っていた水族館の裏では、動物を大切に育む職員さんたちの努力があるということを学びました。
来館者のいない時間帯に水槽を独り占め
現場で目にした緻密な管理体制や、命のバトンを繋ぐための真摯なアプローチは、私の中に深く刻まれました。将来どのような道に進むにせよ、この貴重な経験を今後の学びに繋げていきたいと思います。実習生として温かく受け入れてくださった仙台うみの杜水族館の皆様と多くのことを教えてくれた動物たちへ、感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
角田凜衣さん