尚絅学院大学

健康栄養学類 お知らせ

冷凍いちご活用の基本 🍓 ジャムと砂糖煮

2000/12/27

そのままでもおいしい冷凍いちごですが、解凍した後は新鮮ないちごよりも劣化しやすくなります。スムージーなどに使って残ったいちごはジャムやさっと煮(フレッシュジャム)にして活用してみませんか?

解凍イチゴと保存

解凍イチゴを上手に使って、冷凍いちごの風味と質感を楽しみましょう!

解凍方法: 冷蔵庫での半解凍が基本

 冷凍いちごを楽しむときは、冷蔵庫でゆっくりと解凍させ半解凍状態で使います。完全に解凍してしまうと、いちごの細胞が壊れてドリップ(赤い汁)が出てしまいます。ドリップが出るまで解凍すると、いちごの組織も柔らかくて切りにくく、食感も悪くなります。

解凍いちごの保存期間
 いちごは冷凍すると細胞が破壊され、新鮮ないちごとは異なる食感になります。冷凍・解凍したいちごは、化学的、微生物的な変化を受けやすく、傷みやすくなります。解凍したいちごは冷蔵庫で保管し、1~2日のうちに使い切りましょう。

ジャムや砂糖煮で保存期間を延ばす
 ジャムや砂糖煮にすることで、おいしく長持ちさせることができます。

フレッシュジャム

フレッシュジャム

簡単な加工:フレッシュジャム~さっと煮いちご~

 解凍してしまったいちごは、砂糖を加えさっと煮れば鮮やかな色と香りが魅力なフレッシュジャムになります。保存性は劣りますが、手軽に作れて、さまざまなデザートや朝食にぴったりです。分量は作りやすい量で作っています。適宜調整してください。

〈材料​〉

・ 半解凍した冷凍いちご: 150 g​
・ グラニュー糖: 50 g​
・ レモン汁: 5 mL (小さじ1)​
・ LMペクチン: 2 g
 

〈作り方〉​

1. 半解凍したいちごを好みの大きさにカットする。
2. 鍋に材料をすべて入れ、よく混ぜる。​
3. 中火で加熱する。​
4. 沸騰してから鍋を2・3回揺する。​
5. 再び沸騰後1分間 加熱したら完成。​

※糖度30%と甘さ控えめです。お好みでグラニュー糖の量や加熱時間を調節してください。
※自然な甘味を楽しめるようにペクチンの量も控えめにしています。
※ジャムの粗熱が取れたら、清潔な瓶に詰め、冷蔵庫で保存してください。
※一週間を目安に使い切るようにしましょう。

甘さ控えめのフレッシュジャムは、ヨーグルトやアイスクリームのトッピング、つぶして牛乳に加えてフルーツミルクにするなど、いろいろ使えます。LMペクチンを加えなければシロップ状になります。5分程度煮詰めると保存性が向上します。



いちごジャム(左:果肉をつぶした、右: ブリザーブド)

いちごジャム(左:果肉をつぶした、右: ブリザーブド)

いちごの風味をいかしたジャム

伝統的なジャムは、果物のペクチン、砂糖、酸の相互作用によって作られます。いちごは水分が多いので、伝統的ないちごジャムのレシピは砂糖を多く使用し、糖度65%以上の保存性の高いジャムを作ります。今回紹介するレシピでは、砂糖を控えめにし煮詰めることで糖度を適度に高めて、ジャムらしい、いちごの豊かな味わいを引き出します。このレシピではいちごの割合が多いため、糖度55%程度でシロップが流れ落ちない濃度になります。煮詰めすぎると焦げ付きやすくなるので、注意してください。また、中糖度のジャムなので、冷蔵庫で保存してください。
 

<材料>

・ 冷凍イチゴ:200 g
・ グラニュー糖:60 g(いちごの30%)
 

<作り方>

1. 冷凍イチゴと砂糖を鍋に入れ、室温で1時間以上置く。
2. イチゴから十分に汁が出たら、強火で沸騰するまで加熱する。
3. 沸騰後、弱めの中火で、時々へらで底から大きくかき混ぜながら煮詰める。
4. 泡が小さくなってきたら火を止めて少し落ち着かせ、表面に残ったアクを取り除く。
5. 再び火にかけ、つやが出て混ぜると底が見えるようになるまで煮詰める。
6. 熱いうちに消毒した瓶に詰める。
 

注意点

※吹きこぼれやすいので注意してください。
※予熱で水分が飛びます。好みのかたさより少しやわらかめで仕上げます。

煮詰める目安の重さはこちら→いちごと砂糖の割合計算で計算できます。

解凍いちごとドリップ

解凍いちごとドリップ

冷凍いちごを解凍するとドリップがどんどん出てきます。そこにグラニュー糖を溶かして少しおいてから加熱すると、簡単にジャムを作れます。新鮮ないちごでつくるジャムは砂糖をかけて果汁を出してから火にかけますが、ドリップがでるいちごジャムはこの工程が効率的に進み便利です。
冷凍いちごのドリップはいちご果汁そのもの。とりわけて味付けして煮詰めるといちごシロップとして楽しめます。ドリップを除いたいちごの実もジャムに加工できます。砂糖を実の重さの半分くらい加えると、短時間で煮詰まるので、鮮やかで香りのよいジャムとして楽しめます。



ジャムの材料 左からグラニュー糖、LMペクチン、レモン汁

ジャムの材料 左からグラニュー糖、LMペクチン、レモン汁

こだわる人のジャムと砂糖煮のTips

いちごプロジェクトで調べたことをまとめました。
🍓甘味だけではない砂糖の役割

 食品の糖濃度が高いと微生物が増えるための水が奪われ腐りにくくなります。瓶詰めし、殺菌処理した未開封のジャムは、糖度40%以上なら冷蔵庫で半年、糖度60%以上になると常温でも一年以上保存できます。また、果物に含まれるペクチンは糖度55%以上でゲル化します。ジャムや果物に加える砂糖は、甘味づけ以外に保存性や食感にも関わっているのです。

 大昔のジャムは、はちみつを甘味に使っていましたが、砂糖が大量に使えるようになると現代のような作り方になりました。甘味ははちみつでも、上白糖でも、三温糖でもお好み次第ですが、お勧めは果物の味が伝わりやすいグラニュー糖です。
 

🍓糖度とは?砂糖の添加割合との違いに注意

 ジャムの糖度はジャム100 gに含まれる糖分の量です。ジャムに加えた砂糖の他に、果物にもともと入っているぶどう糖や果糖、ショ糖などの糖分も含まれます。食品成分表(八訂)ではいちごの糖度は5.9%ですが、品種改良により最近のいちごの糖度は高くなっています。例えばとちおとめの糖度は9 ~ 10%といわれています。

 果物に砂糖を加えることで、煮詰めなくても糖度をあげることができます。例えば糖度10%のいちごに同量の砂糖を加えると糖度55%、いちごの半量を加えると糖度40%になります。煮詰めて香りを飛ばしたくないときは砂糖を多めに使い、ペクチンやレモン汁を加えてかたさや酸味を調製します。

 いちごの20~30%程度に砂糖の量を抑え、適当な糖度になるまで煮詰めると、砂糖で薄まらない分、いちごの味わい深いジャムになります。例えば糖度10%のいちごに、その30%量の砂糖を加えるとします(いちご 100 gに砂糖30%)。煮詰めないと糖度は31%です。ここから、全体の量が100 gになるまで煮詰めると糖度40%の低糖度ジャムになります。さらに73 gになるまで煮詰めると糖度55%の中糖度ジャムになり、果物がもつペクチンで固まるようになります。具体的な計算はこちらで→いちごと砂糖の割合計算
 

🍓ペクチンの使用について

 ペクチンは果物や野菜の細胞壁をつくる多糖です。食品加工的にはHMペクチンとLMペクチンに大別されます。ジャムは果物に含まれるHMペクチンが0.5%以上、糖度55~65%、pH2.8~3.5の範囲でゼリー状になる性質を利用しています。ペクチンがゲル化する条件は、糖度、pH、ペクチン含量の組み合わせによります。

 LMペクチンはカルシウムイオンがあると架橋をつくりゼリー状になる性質があります。高糖度にする必要がないことから、LMペクチンは低糖度ジャムのゲル化剤としてよく使われます。ジャムづくり用の市販品を購入できます。

 

🍓レモン汁の役割

 レモン汁はpHを下げて発色をよくするほか、ペクチンをゲル化させやすくします。ただしHMペクチンのゲル化には55%以上の糖度が必要で、低糖度のジャムのゲル化には関係ありません。味にも影響するので、お好みに応じて量を調整しましょう。入れなくても問題ありません。

 糖度55%以上のジャムの場合も、いちごの酸味や煮詰め具合によっては必要がない場合があります。ジャムづくりになれないうちはレモンの添加は最後にし、色合い、味、食感を確認しながら加えるのをお勧めします。

 

🍓煮詰める際の注意点

 いちごの色素は熱に弱く、加熱時間が短い方が色素の分解が少ないですが、煮詰めることにより色は濃くなります。20分以内を目安に煮詰めると色よく仕上がります。家庭用コンロならいちごの量を500 gくらいまでが扱いやすいです。吹きこぼさないよう注意しながら強火~中火で煮詰めます。いちごの組織が壊れている冷凍いちごは、短時間に仕上げるのに最適です。中糖度(糖度55%)以上に煮詰めるときは、とにかく焦がさないように鍋の底からゆっくりかきまぜます。アクをこまめにとると透明度が高く色つやのよい、風味も優れたジャムになります。ただ、アク自体に味があるわけではないので、慣れないうちはアクとりを省略しても問題ありません。アクをとる場合は、煮立っているときに泡を手早く取り除くか、煮詰まる直前にいったん火をとめ落ち着いてから表面の泡を丁寧にとりのぞきます。取り除いた泡も、いちごシロップなので、牛乳や炭酸水で割るとおいしいですよ。

 仕上がりの濃さはお好みです。仕上がりのチェック方法はいろいろありますが、糖度計がない場合は、鍋を混ぜるとき鍋底が見えるようになる頃を目安にするとよいでしょう。煮詰めすぎると、ややべたついた感じに、さらに煮詰めると飴状になり食感が悪くなります。


熱源いろいろ
鍋とコンロが基本のいちごジャムですが、いろいろな熱源で作ることができます。私たちが、いちごプロジェクトで試してみた感想です。

🍓電子レンジ
取扱説明書にジャムの作り方が載っていました。100 g以下の少量のいちごなら、短時間で加熱でき、色よく仕上がります。ただ、大きめの耐熱容器にいれ、加熱中はこまめに庫内の様子を確認して時々かき混ぜないと、あっという間に吹きこぼれるので、意外と面倒です。機種によっては加熱中に庫内が良く見えないなど困った面も。

🍓ホームベーカリー
ジャムモードがある機種が多く、ジャムづくりに適しているといえます。攪拌と加熱を同時にできるので、焦げ付きをあまり心配せずに高糖度のジャムを作れます。攪拌しつづけるので、アクはすくえず、プリザーブドタイプ(いちごの粒が残るジャム)も作れません。また、全自動で便利な反面、全自動で作るには説明書の分量を守らないといけないので、少量作りたい場合も不向きです。

🍓電気圧力なべ、圧力鍋
取扱説明書にジャムの作り方が載っているものが多いです。圧力調理で柔らかくしたあと、お好みのかたさになるまで煮詰めます。均一なジャムはほぼ失敗なく作れそうですが、プリザーブドタイプは作れません。

🍓低温調理機
加熱器具と真空装置が必要です。ジップロック袋とストローで真空にする方法を試しましたが、面倒でした。加熱中にこまめに攪拌しないと、加熱終了時に砂糖が解け残ります。製品の香りはとても良かったですが、色も味も薄く水っぽい仕上がりでした。

🍓炊飯器
5合炊きで150 g程度の少量いちごを処理するのに適しています。熱回りがよく扱いやすいです。熱が回り始めた頃に勢いよく吹きこぼれることがあるので、時々蓋をあけて様子を見ます。穏やかな加熱でアクが残りやすいので、ペクチンを加えないのがお勧めです。いちごプロジェクトでは一番使い勝手がいいと思ったのですが、最近は炊飯以外に使ってはいけないと記載された炊飯器が増えてきて、お勧めできないのが残念です・・・・。
吹きこぼれ事故がおきやすいので、圧力炊きや、蒸気穴が洗いにくい機種は使えません。



by いちごプロジェクト2023

 

用途に応じていろいろなアレンジを楽しんでください

用途に応じていろいろなアレンジを楽しんでください