尚絅学院大学

ボランティアチームTASKI

ボランティア活動報告2018 ボランティアチームTASKI神戸訪問学習会(後編)

2019/01/15

ボランティアチームTASKI神戸訪問学習会前編はこちら⇒前編

【3日目】10月8日(月・祝)  

 最終日初めのプログラムでは、ふたば学舎を訪れ、震災当時に火災による被害が大きかった長田区の状況について学び、実際に長田のまちを歩きました。
 まち歩きをしてみると当時の地形と変わらない場所が多く、当時の写真と比較しながら歩きました。長田のまちは家が密集しておりますが、所々にある空き地には「地震がきたら北へ逃げろ(山の方角)」といった看板が設置してあり、防災まちづくりの取り組みも伺えました。商店街では今でも「頑張ろう」と負けずに営業しているお店もありましたが、シャッターが閉まっているお店も目立つことにも気が付きました。



 最後は震災遺構フィールドワークとして、メリケンパークの震災メモリアルパークや、東遊園地、阪神高速道路の橋脚を歩いて見学したり、神戸市役所展望台から神戸の街並みを眺めました。
 神戸市には震災に関するモニュメントや慰霊碑が300ヵ所以上あり、震災を次世代に繋げるという意識が市全体的に強いと感じました。その反面、台風や豪雨が多かった神戸の土地は震災から20年以上が経過しているため、遺構施設の保存が難しくなっていると感じました。実際に23年前の被害を受けたままの状態を保存しているメリケンパークの震災メモリアルパークでは、9月に発生した台風21号による記録的な高潮により一部が流失されました。このことを受け、モニュメントや慰霊碑などを保存するにあたって必要なリスクを考えなければならないと感じました。

 今回の3日間プログラムの計画から案内までご協力いただいた大学コンソーシアムひょうご神戸の学生と職員の皆さんのおかげで、貴重な経験と大きな学びをえることができました。本当にありがとうございました。


参加して感じたこと…
 今回の神戸訪問学習会を通して、震災から23年経過した兵庫と震災から7年経過した宮城の現状は確かに違うところもありますが、他人事として受け入れるのではなく、自分ごととして考えていくことが今後にも繋がるのだと感じました。 例えば、地震大国の日本では、「今後大きな地震が起きる」と言われていても多くの人はそれが「明日」だとは思わず、「いつか」「そのうち」と言って流してしまうそうです。これでは今までの震災の経験や教訓が十分には活かされない場面も多く出てくると思います。
 夏休みに神戸の学生との学習会で聞いた言葉にこんな言葉がありました。『経験を教訓に 教訓を文化に』地震大国と言われている日本だからこそ震災経験を「教訓かつ文化」として受け入れるべきだと感じました。今後も8年9年と震災からの年を重ね、震災を知らない世代も多くなる東日本大震災ですが、神戸のようにまち全体で震災を次世代に伝えていきたいと思いました。 (人間心理4年 I.C.)


文:人間心理学科4年 伊藤ちひろ
(連携交流課 ワークスタディスタッフ)