尚絅学院大学

臨床心理相談室(ティクヴァ)からのお知らせ

1月 ティクバ便り

2022/01/20

ストレス反応もストレスケアも千差万別

こんにちは。相談員の一條です。

ストレスという言葉は、日常でもよく耳にしますが、そもそもストレスとは何なのでしょうか。ストレスというのは、嫌なことや不快なことだけでなく、日常の変化、例えば引っ越しや入学、結婚や出産といった御目出度いことも含めて、変化そのものがストレスだという捉え方があります。

こんな風にストレスをとらえると日々の変化ですから、到底ストレスをなくすというのは無理な話です。なので、ストレスとうまく付き合っていく方法を考える必要があります。ストレスとうまく付き合う第一歩は、自分のストレスに気づくことです。日々の生活の中で人はわかりやすいストレスだけでなく、気づかないストレスにもさらされています。そして、気づかないうちに頑張りすぎてしまうことがあります。


自分のストレスに気づくヒントはストレス反応にあります。イライラしたり、甘いものをつい食べ過ぎてしまうなんてことはありませんか?あるいは、胃腸の調子が悪かったり、口内炎ができやすくなっていることはありませんか。
そんな時、ちょっと自分の生活を振り返ってみましょう。頑張りすぎたり、忙しすぎたりすることはないでしょうか。実は、ストレスがたまったときのストレス反応は、人それぞれ違います。なので、日ごろから自分にストレスがかかった時にどんな状態になるのかを知っておくことが大切です。人と話したくなる人もいれば、一人閉じこもりたくなる人もいます。
あらかじめ自分のストレス反応を知っておくことで、頑張りすぎ、自分のレッドゾーンに気づきやすくなります。


さて、ストレスに気がついたら次はストレスケアです。これがまた難しい!!実はこれもストレス反応と同じで、その方法が合う人と合わない人がいるのです。ある研修会で「私のストレスケアは美容室に行くこと」と答えた方がいました。そしたらある人が次の瞬間「私は美容室に行くのが億劫。すごくストレスです」と言ったのです。ストレスケアの方法も人それぞれなのです。ですから、万人に合うストレスケアを考えるのはとても難しいことです。なので、ストレスケアもあらかじめ自分は何をしたら心が安心するのか、リラックスするのか、楽しくなるのかを考えておくことが大切です。そしてストレスが溜まった時には、片っ端からその方法を試していく。
そんなことを日頃の研修や授業で話していたら・・・ぴったりの絵本がありました。ヨシタケシンスケさん作の『ころべばいいいのに』という少々刺激的なタイトルの絵本ですが、この本にはストレスケアの基本がすべて詰まっていると思いました。しかも絵本で、子どもにもわかりやすい!ストレスケアに関心のある方にはぜひ一読を勧めたい一冊です。

ころべばいいのに

ヨシタケシンスケ作

ブロンズ新社