【国際交流リレーエッセイ第72回】 オーストラリア留学を振り返って
2025/05/21
国際交流リレーエッセイ第72回目は、オーストラリアの協定校での約1年間の留学を終え、今年3月に帰国した千葉瑚子さん(人文社会学類4年)による報告エッセイをお届けします。
私は昨年の5月から今年の3月まで、オーストラリアのサザンクロス大学へ留学しました。オーストラリアで過ごした10か月間は私にとって間違いなくこれまでの人生で一番充実した時間で、そしてあっという間の10か月間でした。
留学前半は語学学校で英語を中心に学びました。ここでは毎日授業があり、さまざまな国籍の学生と授業を通して交流することができました。私は周りの学生や先生方に恵まれて、忙しくも楽しい時間を過ごすことができました。特に語学学校の後半は最終試験の勉強と毎週出される課題のために夜遅くまで学校に残っていましたが、それも今となってはいい思い出です。周りの学生と分からない部分を共有し合い、教え合うことで理解が深まりました。私の周りには勉強熱心な学生が多かったため、彼女たちから刺激を受けながら勉強に励みました。
放課後EXAM CLUB、授業の様子、ピザパーティー
留学後半は学部での授業でした。私は観光、ジェンダー、ビジネスの授業を履修しました。どの授業も日本では履修したことが無く、私にとっては新鮮な授業内容でした。その分、内容がわからず戸惑うこともありましたが、何とか最後までついていくことができました。私はその中でも特にジェンダーの授業が印象に残っています。この授業は日本人が少なく、グループワークが多かったため、ジェンダー観や考え方についてお互いの国の情報を共有し合うことによって多くの知識を得ることができました。周りの学生はとても優しくて話を振ってくれたり、言いたいことをうまくくみ取ってくれたりしました。
サーフィン、Byron Bay、ビーチバレー
学部は毎日授業があるわけではなかったので、後期は前期に比べて自由な時間が増え、旅行や趣味に充てられる時間が多く取れるようになりました。この期間中、私はオーストラリアのいくつかの都市を訪れて、観光を楽しみました。特に思い出に残っているのは年末年始に訪れたシドニーです。この旅の最大の目的は新年を祝して打ち上げられる花火を見に行くことでした。シドニーの年越し打ち上げ花火はアメリカのニューヨーク、イギリスのロンドンと並んで世界三大年越し花火として知られています。そのため、当日はものすごい数の人が世界中から訪れていました。私たちも朝の8時ごろから席を確保するために炎天下の中待機したので疲れましたが、打ちあがった花火は今まで見た花火の中で一番きれいで感動しました。また、オーストラリアではビーチバレーとサーフィンを経験しました。どちらも日本ではあまり経験する機会が無かったのでとても楽しかったです。
シドニーの年越し打ち上げ花火、キュランダ鉄道(ケアンズ)など
私は留学期間中、ホームステイをして現地の家族と一緒に生活をしました。ステイ先では、日本人、ブラジル人、ドイツ人の学生と交流しました。ファミリーは私のことを本当の家族のように思ってくれて、帰国してからも気にかけてくれています。最も印象に残っているファミリーとの思い出は誕生日パーティーです。私はこの留学期間中に21歳を迎えましたが、オーストラリアとニュージーランドでは21歳は日本でいう20歳と同じくらい特別な誕生日らしく、盛大にお祝いしてくれました。当日は友人を招き、お寿司パーティーを開催しました。また、オーストラリアでは、‘Hip Hip Hooray!’という日本の万歳三唱のような掛け声があり、バースデイソングの後にこの掛け声をかけてから願い事をします。日本とは異なるお祝いの仕方を経験ができたのでうれしかったです。
留学最終日にホストファミリーと
この留学を通して私は挑戦することの大切さを改めて実感しました。これまでは、挑戦することの大切さをわかっていてもついネガティブに考えてしまい、挑戦を恐れてきました。しかし、挑戦することから逃げられず、やるしかない状況に置かれたとき、そこではじめて周りの人は私の失敗をそれほど気にしていないという事に気づきました。周りの目を気にして何もしないより、自分のしたいことをすることの方がよっぽど価値があるのだと実感しました。そこから私は徐々に楽観的に考えられるようになり、以前よりも挑戦することへのハードルが下がったため、さまざまなことへ挑戦してみようと思うようになりました。これは私が留学を通して挑戦を繰り返して、自分に自信がついたからだと思います。以前よりも自分の力を信じることができています。この留学は間違いなく私の人生を大きく変えてくれました。もし、今何かに挑戦しようと考えている人や悩んでいる人は自分の力を信じて挑戦してほしいと思います。それが海外留学であるなら、例え短期留学でも、私は声を大にしてお勧めします。なぜなら今回の経験で留学は視野や考え方を広げてくれることを実感したからです。これから先、また大きな壁にぶつかって挑戦するかどうか悩む時が必ず来ると思います。そんなときはこの留学で感じたことを思い出し、自分を一歩進めるきっかけにしたいと思います。また、この経験を経て、周囲の人をサポートできる人材になりたいと思います。
最後になりましたが、この留学は周りの方々の支えが無ければこんなにも貴重で充実した10カ月間にはならなかったと思います。最後まで支えてくださった先生や職員の方々をはじめ、家族、友達、すべての人に感謝しています。ありがとうございました。
人文社会学類4年 千葉 瑚子