生涯学習

尚絅寺子屋塾  名取の自然を考える

2010/05/21

~美田園・北釜のタナゴのお話し~

タナゴに魅せられ20年

 名取市美田園地区と北釜地区で、淡水タナゴの繁殖に取組んでいる名取市増田在住のタナゴ研究家三上清さんのお話しです。
 タナゴは日本中の河川に生息し独自の特徴を有し繁殖していましたが、開発や災害防止の名の下に日本中の河川はコンクリートで固められて、タナゴなどの水生生物は姿を消しつつあります。タナゴの繁殖には淡水の二枚貝が欠かせないし、また二枚貝の繁殖にはヨシノボリやドジョウなどが欠かせない、更に餌となる植物性や動物性プランクトンの存在など微妙な自然のバランスに成り立っているという。そしてこの繁殖サイクル・連鎖がどこか断ち切られると絶滅に繫がっていくことになると心配する。また肉食性の外来魚のブラックバスやブルーギルなどの餌となっていることも減少に拍車を掛けているそうだ。
 三上さんは20年前にタナゴの美しさに魅せられ以来タナゴの飼育に取組んでこられました、急速に進むタナゴの生息環境の悪化に絶滅の危機を感じ、退職後自前で繁殖用の池を設置し本格的に繁殖に取り組み、放流や環境悪化について報告会を開くなどの活動を行っています。また繁殖の傍ら九州柳川水系や球磨川水系、琵琶湖周辺水域、霞ヶ浦や北浦水系など各地の様子なども調査されております。日本のいたる所の里山や田園が人間に都合のいい形で開発されている。名取近郊にはまだまだ自然が残っているが、ただ手付かずの自然ではなく人間が何らかの保護や工夫をしないと生息や繁殖のサイクルが壊れてしまうそんな状況にあると三上さんは話す。次世代にこの素晴らしい名取の環境を残したい、そのために頑張りたいと意欲満々の三上さんである。なんとも心強い。
写真上(アカヒレタビラ)、中(タナゴの棲む小川・名取市)、下(北釜タナゴ池)
 次回は美田園の調整池と北釜のタナゴ池の観察会を予定しています。
参加を希望する方は生涯学習センターへお申し込みください。

尚絅学院大学生涯学習センター

住所:名取市増田一丁目1-15
電話:022-381-1490