尚絅学院大学

人文社会学類 お知らせ

人文社会学類1年次科目「メディア表現基礎演習」授業紹介

2021/03/12

メディアで表現できる人になろう!


 

「メディア表現基礎演習」で学ぶこと

 この授業は、人文社会学類の中でもメディア表現領域の学びに関心がある人、社会のなかで活かせるメディアの活用力をつけたい人にはおすすめの授業です。
 私たちは、日々、メディアを通してさまざまな情報を受け取っています。例えば、高校生の皆さんは、いろいろな大学のパンフレットやホームページの情報を目にしていると思います。その時、皆さんが受け取っている情報は、ことば・写真・イラストや図・動画といったいくつかの要素から成り立っています。このように、情報を的確に受け手に伝えるためには、ことば、画像、映像をうまく組み合わせて発信することが求められます。そのような、情報発信の基本的な力が身につくよう、この授業では、私たちが情報発信をする上での基礎となることば・映像・画像といったメディアの効果的な活用方法を学びます。

 

授業の最終課題はポスターの制作

 さて、この授業では、5名の担当教員が、それぞれの専門分野からことばや写真の特性や表現の基礎について授業を行ないます。たとえば、写真の構図や画像の解像度などの基礎知識、ことばと写真の組み合わせ方、効果的なキャッチコピーの考え方、情報収集や調査のしかたなどを学びます。そこで学んだ知識を応用して、受講生各自が一枚ずつ、ことばと写真を組み合わせて情報を効果的に伝えるポスターの作成をします。ポスターの課題は、例年、「自分の地元を知らない人に紹介する」という内容です。自分が生まれ育った市・町・村・地区など、自分の出身地や関わりの深い地域について調べ、発見した情報やアピールポイントを写真とことばを用いて表現します。授業の最終回では、すべての受講生が作成したポスターを展示して発表会をおこないます。

2020年度ポスター発表会の様子

2020年度ポスター発表会の様子

優秀作(1)秋田内陸縦貫鉄道のポスター

 それでは、実際に2020年度の授業内で学生が作成したポスターを紹介します。これらは、学生と教員とで投票を行ない、上位3作に選出された優秀作品です。

 まず、一枚目は秋田県仙北市と北秋田市を結ぶ秋田内陸縦貫鉄道を紹介するポスターです。メインで使われている写真は、一面の雪景色の中でも、手前がほんのり明るくなっていたり、遠くからやってくる一両列車のライトの光に明るく照れされることで、寒さの中にも温かさが感じ取れる写真です。また、「寒空の下 迎えに来ます 一両列車」というキャッチコピーでも、その列車の温かみやホッとする印象をことばで伝えており、とても適切な表現になっています。キャッチコピーを3行で配置し、それを読んでいくことで、自然と奥の列車の存在に目が行くような配置となっていて、レイアウトとしても評価できます。

秋田内陸縦貫鉄道のポスター

秋田内陸縦貫鉄道のポスター

優秀作(2)宮城県塩竃市を紹介するポスター

 続いて、2枚目は、宮城県塩竃市を紹介するポスターです。このポスターは、中心に鹽竈神社の鳥居を配置する写真がメインとなっていますが、左右対称のシンメトリーの構図、手前の参道から鳥居に向かっていく石畳の線による放射構図によって構成されており、鳥居の奥に視線が吸い込まれていきそうな印象を作り出しています。また、キャッチコピー「くぐった先に 別世界」の二つのことばの間に鳥居を配置することで、写真と言葉が見事に組み合わされています。キャッチコピーを読むことで、写真を見ることで、見る人の視線を鳥居の奥にある見えない鹽竈神社に向けていく表現となっています。また、鳥居をくぐった先に見られる四季折々の風景を、ボディコピーで想像させるところも評価できます。

 宮城県塩竃市を紹介するポスター

宮城県塩竃市を紹介するポスター

優秀作(3)岩手県奥州市を紹介するポスター

 三枚目は、岩手県奥州市を紹介するポスターです。奥州市を紹介する材料として、衣の滝を取り上げています。この衣の滝は二段になって流れ落ちる滝ですが、その流れる様を二つの写真の組み合わせによって表現しています。また、キャッチコピー「衣の滝 飛瀑が周りの景色に風光明媚な情景を映し出す」を縦書きで構成し、キャッチコピーの文末からその下のボディコピーが続けて読めるように、視線の流れを作っています。写真の配置とことばの配置がうまく組み合わせられて、滝の魅力を伝えています。

岩手県奥州市を紹介するポスター

岩手県奥州市を紹介するポスター

この3枚のポスターは、それぞれ、自分で地域のアピールポイントを絞り込み、自分でそれを表現する写真を撮って、それを適切なことばとともにレイアウトしているものですが、細かいところにまで気を配って表現できているところが評価できます。

皆さんも、ぜひこの授業で写真、画像、キャッチコピー、文章などを適切に用いた表現を学び、自分の地元を紹介するポスターを作ってみませんか?