【国際交流リレーエッセイ 第58回】台湾留学体験談
2024/08/02
国際交流リレーエッセイ第58回目は、台湾・弘光科技大学への協定留学第1号として留学している人文社会学類4年生の投稿です。
皆さんこんにちは。私は、現在台湾の協定校に留学している大学4年生の野田果暖です。
私は、高校生の時にドラマをきっかけに中国語に興味を持ちました。その頃から、独学で中国語の勉強を始め留学制度のある尚絅学院大学に入学しました。大学では中国語のコースを履修していましたが、主に資格勉強の授業であった為、会話が出来るレベルには達成しませんでした。元々、高校生の時から留学に行きたいと思っていましたが、せっかく中国語の勉強をしているので、中国語でコミュニケーションがとれるようになりたい。更に、将来仕事で語学を活かしたいと思い、留学に行くことを決めました。
台中・伴天聊露營區の風景
台湾に留学をして約5ヶ月が経ちました。日本にいる時は、期待と希望を胸に台湾へ旅立ちましたが、生活をして行く内に文化の違いや言葉の壁に戸惑う事も多くありました。中でも一番辛かったことは、日本の常識が全く通用しないということでした。 普段私達は、日本と言う母国で暮らし主に母国語の日本語を使用して生活しています。しかし、台湾では、私は日本人であり外国人でもあります。中国語を強化する為に台湾に行きましたが、中国語でコミュニケーションが取れない際には、必ず英語で話かけられました。正直、私は英語が苦手で中学生レベルの英語も分かりません。その為、生活する上で言葉が通じない事は、こんなにも大変な事だと改めて実感しました。それと同時に、台湾の学生のほとんどが英語でコミュニケーションが出来るので驚きました。 私の住んでいる台中市では主に東南アジアの生徒が多く、日本人の女性や日本のアニメがとても有名でした。自己紹介で私が日本人だと分かると、最初から恋愛目的で来る男性やボディータッチの多い男性が多く、怖い経験もしました。日本では、相手の態度や周りの目に気をつかい「察する文化」が少なからずあると思います。しかし、直接態度や言葉で伝えないと相手には伝わらない為、察する文化が通用しない事が分かりました。その為、相手にオブラートに伝えるのではなく、しっかり自分の意見を言葉で伝えないとコミュニケーションが上手くとれない事を学びました。
留学生イベントの様子
次に、日本のアニメはとても有名です。台湾ではクレヨンしんちゃんやドラえもんが中国語の吹替え版としてテレビで放送されていて、日本のアニメキャラクターの服や小物、バックなどが流行中です。ハイキューや鬼滅の刃、アーニャやワンピースなど他にも数多くの日本のアニメが有名な為、日本人=日本のアニメを全て知っていると思われています。 私は元々、日本のアニメをあまり知らないので、分からない事を伝えると多くの外国人にショックを受けられました。また、冗談で「あなたは日本人ではないね」と言われた事もあります。日本のアニメは、台湾に限らず海外でとても有名なので、外国人と仲良くなりたい方は日本のアニメを深く知っておくと話が盛り上がると思いました。
また、台湾のコンビニではお弁当を買った際、箸ではなく必ずレンゲが渡されます。箸はお店に置いていない事が多く、箸でご飯を食べる事に慣れていた私は、未だにレンゲでご飯を食べる文化にとても苦戦しています。更に、日本と同じセブンイレブンやファミリーマートがありますが、犬が店内を歩いている事や、販売している飲食物が違います。更に、お会計時に買った物を袋に詰め終わっていなくても、次のお客さんがカウンターに物を置く事があります。しかし、これは相手を焦らせるようにわざと行われているのではなく、台湾独特の文化の違いだと思いました。
台湾には美味しいものがたくさんあります。コンビニに犬も!
語学面に関して、私は台湾に来る前にHSK3級レベルを取得していました。台湾では更なる上達のために基本的な文法や新しい単語の知識を学びたかったのですが、弘光科技大学には中国語の語学学校がありません。その為、2~6月の一学期分は台湾の文化や生活環境に慣れるといった感じで、自分の語学力の伸び率にとても焦りを感じました。その影響もあり、このまま自分から何も行動しなければ、一年間ただ台湾で生活して終わってしまうと感じました。その思いから、国際スタッフの方に相談し弘光科技大学の紹介で、他大学の中国語の語学学校に通う事が出来、現在は毎日中国語の授業に通っています。
台湾に来て正直、自分の語学力の伸び率には毎日焦りを感じています。ですが、先輩方や留学経験者からのアドバイスも含めると、自分の語学力の成長を大きく感じることが出来るのは、日本に帰ってからかもしれないと思いました。
台中・彩虹眷村で
まだ不安な事は多いですが、今は日々自分を信じて沢山の経験を積み重ねています。残りの半年も引き続き自分を信じる気持ちと感謝を忘れず、夢に向かって資格試験や集中授業、国際活動に積極的に挑戦して行こうと思います。そして、留学が終わる半年後には今よりももっと自信をつけて、堂々とした自分になれるよう決めた事を最後まで諦めずに頑張ります。