尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ第50回】半年間の日本留学体験記

2024/02/05

国際交流リレーエッセイ第50回目は台湾・弘光科技大学からの交換留学生詹巧慧さんです。詹さんは、2023年9月から2024年2月までの半年間、交換留学生として来日されました。初めての日本での生活に戸惑いながらも、学びの多かった詹さんの半年間の留学体験記をご覧ください。

                           半年間の日本留学体験記

尚絅学院大学の交換留学の機会をいただき、初めての海外経験となりました。出国前にはできるだけ準備をして、ミスを避けるようにしました。

いつも試験のために日本語を学んでいたので、実際の使用経験が全くありませんでした。来た当初は3~4割しか理解できなかったと思います。聴解力は得意だと思っていましたが、実際に日本人と接するとまだまだ不足していることが分かりました。口語は言うまでもなく、非常に苦労しました。しかし、みんながよく使うフレーズや発音を真似することで、表現することができるようになりました。また、学校が交換留学生にチューターを用意してくれました。台湾にいたとき、留学生アンケートにはチューター希望の項目があり、私は自分の日本語のレベルがまだまだだと分かっていたので、相手が忍耐強く、さらに、私は台湾では英語専攻なので、英語でも対話できる方を希望しました。チューターは本当に親切に対応してくれたので感謝しています。時折、おもしろい状況もあり、チューターが英語で話しかけてきて、私が日本語で返答するというようなやりとりがありましたが、お互いが理解できることが大切だと分かりました。

学校が始まり、先生が私たち(台湾からの留学生2人)を里山に連れて行ってくれました。そこで初めてその場所も学校の一部であることを知り、町全体を一望できる素晴らしい景色だったので、印象に残っています。


この留学期間中、私は民俗舞踊のクラブにも参加しました。寮の友達が誘ってくれて、太鼓を学ぶことになりました。台湾にいたときも、時折太鼓のゲームをやっていたことがあったので、ここでも半年の間に友達を増やしたいと思っていました。サークルの先生や先輩たちはとても親切で、注意深く教えてくれました。最初は学ぶスピードが遅かったですが、寮で録画を見ながら徐々にリズムを覚え、ステージにも出演することができました。半年間だけの交換留学生でしたが、参加させていただけたことに感謝しています。


日本にいると、夏・秋・冬の風景を見ることができました。秋はいちょうやもみじの紅葉、冬は雪。出かけると、偶然にも美しい自然の風景に出会えるのは本当に嬉しかったです。  

この期間、私は多くの初めての経験をしました。初めての飛行機、初めてキツネを見ること、初めて雪だるまを作ることなど、数々の貴重な思い出があります。私は生まれてこのかた雪を見たことがなかったので、雪が降るのをずっと待ち望んでいました。しかし、私が日本に来た年はちょうど暖冬だったため、通常よりも雪は少なかったです。それでも私は雪を心待ちにしていました。ある日、ついに雪が降り始めたのに気づき、すぐに他のクラスメートに知らせました。私たちは寮の外で人生初めての雪を迎えました。翌日、学校に行くと、学校はとても美しくなっていました。標高が高い位置にあるため、寮よりも、もっとたくさん雪が積もっていました。私は人生で初めての雪だるまも作りました。その瞬間、本当に何もかも満たされた気分になりました。交換留学に来ることができて本当に良かったです。


初めて日本に来たとき、来る前に緊張しすぎてあまり眠れなかったため、ひどい風邪にかかりました。寮母さんや友達の心遣いに本当に感謝していますが、風邪がひどく、夜中に咳き込んでいるのが隣の部屋の人にまで聞こえるほどでした。初めの一週間、寮のRA(Resident Assistant)や寮母さんが私の様子をたびたび尋ねてくれました。台湾から薬を持ってきたものの、あまり効果がなかったため、私は寮の近くの薬局で薬を購入しました。日本の薬は本当に効果的でした。風邪をひいてから約3週間後になってやっと完治しました。

寮のクリスマスイベントにも参加しました。台湾のクリスマスはセールがありますが、日本のような雰囲気とは違います。また、クリスマスケーキを飾ることも久しぶりで、子供の頃の無邪気な時代を懐かしく思い出しました。その日は参加者が少なかったですが、台湾と日本のクリスマスの違いについてたくさんの話ができました。


この半年間、私は多くのことを学びました。言語間のコミュニケーション、日本の文化、そして人と人との礼儀など、様々な経験がありました。もし、私が留学に申請しなかったら、この一歩を踏み出さなかったら、結果がどうなるか分からなかったでしょう。成長の余地はまだたくさんありますが、この半年間本当にたくさんの収穫がありました。改めて、尚絅学院大学が私にこの交換留学の機会を提供してくれたことに感謝します。ありがとうございました。
 

弘光科技大学 詹巧慧