尚絅学院大学

学校教育学類 お知らせ

【学校教育学類】(自分の)授業がうまくなりたい! (学生に)なってほしい!

2026/07/24

授業づくりを大切にする教師の育成

 教職を志す学生を見ていると、実に様々なことに関心をもっていることに気付かされます。それと同時に、教育に関わる人間は、こんなにも色々なことを大事にしていかなければならないのだなあと、小学校にいたはずの自分もしみじみと実感します。

 教師として教育活動を展開していくにあたり、何を自分自身の教育観の中心に据え置くのかというのは非常に重要です。生徒指導に力を入れる先生、毎日学級だよりを発行して保護者との関係を築こうとする先生、朝の会や帰りの会を工夫して学級の認め合いの雰囲気を醸成しようとする先生……。色々な先生方を見てきましたが、きっと各々、自分自身の中で信念をもって取り組んでいることには変わりないのだと思います。

 私が小学校教師の頃、自分自身の教育観の中で最も大切にしているのは「授業づくり」でした。学校生活の中で一番長い時間を過ごすのは授業ですから、子どもたちが授業を通して物事を考える楽しさを知り、様々なことが分かる・できるようになっていくことが最重要ではないでしょうか。この考えは大学教員になってからもまったくブレることはありませんし、譲るつもりもありません。小学校から大学へと場は変わりましたが、私は自分で授業を行うことが大好きで、どうやったら学習者に興味をもってもらえるか、分かりやすく理解してもらえるかを日々試行錯誤しながら考えています。やればやるだけ「もっとうまくなりたい!」という思いは募る一方です。そんな私ですので、授業を履修する学生には授業づくりを決して疎かにしないようにと熱く伝え続けています。

3年次開講科目「国語科教育法Ⅲ」

 3年次開講科目の「国語科教育法Ⅲ」は、中学校教諭免許(国語科)を取得希望する学生が履修している授業です。この授業では、学生一人一人が小学校または中学校の教材から一つを選択し、それを基に小学校教材ならば45分、中学校教材ならば50分の授業をデザインします。そして、他の学生を児童生徒役として、自分自身の授業デザインに沿って模擬授業を実施します。3年生は後期に小学校の教育実習があるので、それに向けた練習を兼ねるという意図もあります。

 教員免許を取得するカリキュラムを設定している大学の授業では、どこでも模擬授業を行わせますが、規模が大きい所では一人一人が模擬授業を行えるわけではなく、グループで、短時間で済ませてしまいます。実際の授業時間と同じだけ模擬授業を行い、その後すぐに検討会を行って議論ができるというのは、尚絅学院大学ならではの強みです。


 模擬授業に当たっては「学習指導案」という授業の計画書を事前に作成して臨みますが、学習指導案はあくまで「案」。実際に授業を進めていく中で、教師が予定していた言葉とは異なった問い掛けをすることになったり、それによって全く予想外の答えが返ってきたり……。どれだけ入念に準備をしていたとしても、なかなか思い通りにいかないのが授業です。慣れないうちはそれに思い悩みますが、これがだんだんと楽しめるようになってくるから不思議なものです(私見です。楽しめない人もいます)。


 模擬授業の後、「リフレクションシート」という用紙を使用し、授業内で設定されていた活動や教師の支援は適切だったのかを考え、履修者同士で議論していきます。授業の中でうまく機能していたこと、していなかったことを考えるのももちろん大事なのですが、このシートの中で一番私が重要視しているのは「判断付かない」の欄です。まったく同じ学習指導案で授業をしたとして、その授業を行う先生や児童生徒が変われば、結果は様々なものになります。誰かにとっては効果的なことが、そのまま他の人に当てはまるかは定かではありませんし、勉強中の身ではそもそも判断が下せないこともあります。安易に答えを求めるのではなく、何が正しいのかを究理的に追い求めようと自分の頭を働かせ、他の学生や先生と議論する。それこそが大学での学びと言えるでしょう。

書込みのあるシートは返却してしまっていました…ご参考までに

書込みのあるシートは返却してしまっていました…ご参考までに

 よく「授業づくりに正解はない」と言われます。私もそう思いますが、もっと言えば「授業づくりに正解はないが、不正解はある」というのが私の見解です。先生が話している時間ばかりで子どもが置いてけぼりの授業、特定の子どもばかり挙手して指名するので、集団で学ぶ意図が見えない授業、なんか盛り上がったけど、何を学んだかよく分からない授業……きっとこれらは不正解の授業です。学校の中で一番時間を掛ける授業をつくり上げるのは難しいし、責任も大きいものですが、その分うまくいったときの喜びもひとしおです。皆さんも本学で、授業づくりについて本気になって考えてみませんか。

(学校教育学類:大谷 航)