尚絅学院大学

学校教育学類 お知らせ

【学校教育学類】在外教育施設ってどんなところ?(新任教員:古山貴仁)

2026/06/09

Goedemiddag! Ik ben Takahito Koyama. Leuk je te ontmoeten.
(オランダ語で、「こんにちは、私の名前は古山貴仁です。はじめまして。」)
 
 今年の4月に尚絅学院大学に着任しました。前職は東京の肢体不自由特別支援学校で勤務しておりましたが、学生時代には仙台の大学院で学んだ縁もあり、こうして再び宮城県に戻ってこられたことは、とても感慨深いです。特別支援学校での経験も、いずれどこかでお話できればと思いますが、私は2021年4月から2025年3月までの4年間、在外教育施設派遣教員としてオランダのロッテルダム日本人学校に派遣されておりました。今回は、その経験をご紹介します。

 「在外教育施設」と言われても、あまり聞き慣れない言葉かと思います。これは、海外に在留する日本人の子どものために、国内の学校と同等の教育を行う施設のことで、「日本人学校」「日本語補習授業校」「私立在外教育施設」の3つがあります。その中でも日本人学校は、日本国内の小・中学校または高等学校と同じ教育を行う全日制の学校で、現在、世界に94校あります。主に、親の海外赴任に家族で帯同してきた子どもたちが通っているので、帰国した時にスムーズに日本の学校に戻れるような体制づくりをしています。学校の規模は、児童生徒数が1000人を超えるような大規模な学校もあれば、少人数の学校もあります。

 私が赴任していたロッテルダムは、首都アムステルダムに次ぐ第2の都市です。ヨーロッパ最大の貿易港である「ユーロポート」があることから、約170ヶ国の国籍の人々が住んでいる、非常に国際色豊かな街です。日本企業も、船舶関係や物流関係の企業を中心に、多く進出しています。そして、ロッテルダム日本人学校は、小学部と中学部がありましたが、全校児童生徒が20名前後のとても小規模な学校でした。 しかし、小規模だからこそ取り組める実践もたくさんありました。例えば、小学部1年生から中学部3年生まで全員がお互いのことをよく知っているので、日常的にたくさんの異学年交流が生まれていました。また、ヨーロッパの小規模校同士を繋いでの遠隔合同授業や、現地の学校やインターナショナルスクールとの交流等も積極的に行いました。
 こうした交流活動で、私たちが大切にしてきた合言葉が「Warm Heart」です。

・Smile(えがお)
・Welcome & Thanks(ようこそ&ありがとう)
・Compliment(いいね)
・Show interest(しりたいな)


「Warm Heart」を実現するために、この4つを意識しながら、相手との関係を築いていきました。グローバル化が急速に進むこれからの世界では、多様な背景をもつ人たちと生きていく力が求められます。そのような時に、「Warm Heart」の気持ちをもって、相手とかかわれるような子どもたちを育てていくこと、そして、これから教員を目指す学生の皆さんにも、こうしたグローバルな視点を身に付けてもらいたいと考えています。
 
 また、在外教育施設にも、特別な教育的支援を必要とする児童生徒は在籍しています。現在、約40,000人の児童生徒が、世界中の在外教育施設で学んでいます。文部科学省の調査によると、日本国内の小学校・中学校の通常学級には、特別な教育的支援を必要とする児童生徒が8.8%在籍していると言われています。この割合を単純に当てはめてみるだけでも、在外教育施設にも何からかの配慮を必要としている子どもたちが4000人近くいる計算になります。海外にあることから、なかなか支援が行き届かない現状があり、特別支援教育の充実は喫緊の課題です。この4月から大学教員として、教員養成や研究活動にかかわることになりました。実際に現地で教員生活を送り、現状と課題を肌で感じてきたからこそ、在外教育施設の教育の充実や、特別支援教育の推進は、私にしかできない大きな責務だと感じています。
 
 ところで、まもなくサッカーの北中米ワールドカップが開催されますね。日本代表は、なんとオランダと同じグループで戦うことになりました。オランダ人のサッカー好きな友人からは、「お前はどっちを応援するんだ?」と言われることもあります。ここで明言するのは避けますが・・・どちらも死力を尽くして、素晴らしい試合を見せてくれることを、とても楽しみにしています。

世界遺産「キンデルダイクの風車群」

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