尚絅学院大学

学校教育学類 お知らせ

【学校教育学類】溶岩に飲み込まれた学校

2026/02/26

 もし、あなたが先生だったとして、毎日通っている学校が、ある日突然使えなくなってしまったら。子どもたちに、どんな言葉をかけるでしょうか。

 東京からフェリーで6時間半の距離にある三宅島では、1983年の噴火によって、阿古小中学校が集落とともに溶岩に飲み込まれました。校舎や校庭、教室の窓から見えていた景色——子どもたちの日常は、自然の大きな力によって姿を消しました。(現在は「火山体験遊歩道」という形で一部残った学校の姿をみることができます)
 私は昨年11月、学術調査のために三宅島を訪れました。調査という目的で島に立ちながらも、溶岩に覆われた場所を前にすると、ここで子どもたちが学び、先生たちが日々声をかけていた時間の重さを、静かに感じずにはいられませんでした。

 学校を失うことは、建物がなくなることだけではありません。友だちと顔を合わせる場所や、「明日もここに来ればいい」という安心感が失われることでもあります。そんなとき、そばにいる先生は、どんな存在でいられるのでしょうか。

 教師は、すぐに答えを示せる人ではないかもしれません。それでも、「一緒にいよう」「学びは続いていく」と伝えることはできます。校舎がなくなっても、人と人とのつながりがあれば、教育は続いていきます。

 教員を目指す皆さんにとって、この出来事は遠い過去の話でしょうか。それとも、いつか自分が向き合うかもしれない問いでしょうか。三宅島の大地は、今も静かに私たちに問いかけています。