尚絅学院大学

子ども学類 お知らせ

【子ども学類】相馬ゼミ3年生が美術館研修に行ってきました

2023/08/05


 相馬ゼミは、「子どもの造形表現」を専門に学ぶゼミです。7月15日(土)、相馬ゼミに所属する3年生の学生10名を引率して、福島県立美術館へと研修に行ってきました。

「美術館」は敷居が高い!?

 最近は「美術館に行った経験がない」という学生が多数います。
授業の際、毎年学生たちに「美術館に行ったことがあるか?」と質問することにしていますが、「行ったことがある」と回答するのは全体の2割程度です。

 私のような専門家からすれば非常に驚くべき事態ですが、世間一般的に考えれば、美術や芸術に興味がなければ、なかなか「訪問しない」、もしくは「訪問しづらい」場所であるとは思います。

 相馬ゼミの学生でも状況は同じで、今年の3年生10名のうち7名が美術館にいったことがない学生でした。

私の故郷の「美術館」へ

 当初は、地元にある「宮城県立美術館」を見学に行く予定でしたが、現在改修工事のため長期休館していました。リニューアルオープンは令和7年度中だそうです。
 近県の美術館を検索したところ、福島県立美術館にて、モネやゴーギャンなど、印象派を中心とした比較的知名度の高い画家による展覧会「ブルターニュの光と風」が開催されており、東北本線を利用すれば交通費も安価で移動できるため、全員で見学に行くことにしました。

 福島県出身で、学生時代を福島市で過ごした私にとって、福島県立美術館は「庭」のようなものであり、私に「美術の基礎・基本」を教えてくれた場所です。久しぶりの訪問でしたが、大学での教え子を引率して訪問できた機会は、とても喜ばしい時間でした。

研修を終えた学生の感想を紹介します。

学生の感想より

 初めてじっくりと美術館を見学して、専門的な知識がなくても、美術館の全体的な雰囲気やそれぞれの作品の違いを感じることができました。最初は作品のどこを見るべきか、どのように見るのか戸惑っていましたが、時間をかけて見ることで、「何を使って描かれているのか」「どのような方法で描かれているのか」など、作者や時代によっても違ってくることを感じました。何で描かれているのかを中心に見ると、油彩や水彩、鉛筆などの技法で描かれている作品が多くある中で、「テンペラ」というもので描かれている作品があり、調べてみると顔料と卵を混ぜ合わせた絵具を使っている作品であることを知りました。この技法が使われている作品は少なかったものの、はっきりとした発色で鮮やかであったため、大変印象に残りました。今後はぜひ他の美術館にも行ってみたいと思います。

(文責:相馬 亮)