尚絅学院大学

教員紹介

永澤 雄治 (ながさわ ゆうじ)

永澤 雄治

所属
社会部門 
職位
教授 
学位
法学修士、修士(国際文化) 
担当科目
【学類】国際社会論、国際政治論、人権論、平和学、卒業研究など  

授業担当分野の概要(卒業研究を含む)

1)国際社会論:国際社会の動向を国際政治学、国際経済学、国際法などの観点から解説します。
2)国際政治論:冷戦期から冷戦後にかけての国際政治を解説します。                                                 
3)人権論:人権という視点から、現代社会を観察し、国内外の事例に基づいて解説します。                                         
4)平和学:「戦争と平和」、「貧困と抑圧」などのテーマについて、これまでの学問的蓄積をもとに解説します。
5)卒業研究:卒業研究の完成に向けて指導します。

研究分野と所属学会

【研究分野】平和研究、国際政治経済論、EU論
【所属学会】国際政治学会、平和学会、EU学会

研究のキーワード

経済的相互依存と安全保障、EC/EUと旧ソ連、中東欧、EUの東方拡大

接続可能な開発目標(SDGs)

  • 1.貧困をなくそう
  • 2.飢餓をゼロに
  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 6.安全な水とトイレを世界中に
  • 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 10.人や国の不平等をなくそう
  • 16.平和と公正をすべての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

現在の研究テーマ

1)経済的相互依存と安全保障
2)冷戦と冷戦後における EC/EUと旧ソ連、中東欧の政治経済関係
3)EU拡大に関する理論及び実証研究         

研究成果の概要

1)国際政治経済学の領域において、経済的相互依存が国家間の紛争と協調にどのような影響を及ぼすかについては、長年の論争テーマの一つだった。「紛争・協調」論争に関する理論整理を行い、ガワ(Joanne Gowa)とマンスフィールド(Edward Mansfield)による貿易と安全保障に関するモデル(「安全保障不経済」論)及びコープランド(Dale C. Copeland)の「貿易期待」説で用いられている分析概念の有効性を検証した。
2)冷戦期の東西欧州貿易を考察し、西欧と中東欧の通商関係が冷戦初期から形成されてきたこと、及び西欧の経済外交戦略の独自性を明らかにした。冷戦末期の中欧において、西欧との貿易額が対ソ連貿易額を上回る規模に拡大していたという事実は、西欧諸国が東西欧州貿易を持続的に成長させることにより冷戦後の中東欧への政治経済的接近を通商面から準備していたと理解できる。この点において東西欧州貿易は、冷戦後のEU東方拡大に対し一定の歴史的役割を果たしたといえよう。
3)EU拡大を説明するための理論モデルとして、合理主義と構成主義が接合可能であることを明らかにした。EU拡大に関して構成主義の立場から分析している代表的論者の説を批判的に検討し、合理的行為者モデルがEU拡大についても分析モデルとして有効であり、政治的費用便益という視点を導入することにより、合理主義の中に構成主義的分析概念(規範、価値等)が包摂可能であるとを示した。並びにEU拡大に関する実証研究も行った。

主な業績(研究実績・作品発表)

1)「7章 戦争のない世界は実現可能か?」(『国際社会を学ぶ(改訂版)』戸田、三上、勝間編、晃洋書房、2019年11月、119-132頁)
2)「紛争と協調の経済的相互依存―分析概念の検証―」(『総合政策論集』17巻1号、東北文化学園大学総合政策学部、2018年3月、3-18頁)
3) 「地域統合と平和」(『新版 国際関係論へのファーストステップ』中村都編著、法律文化社、2017年5月、46頁)
4)「風の谷のナウシカ―深刻な環境汚染と人間の選択―」(『映画で学ぶ国際関係Ⅱ』三上貴教編、法律文化社、2013年4月、174-177頁)
5)「冷戦末期の東西欧州貿易とEU拡大」(『総合政策論集』10巻1号、東北文化学園大学総合政策学部、2011年3月、229-245頁)
6)“Economic Interdependence and Political Conflict: Manipulation of Economic Interdependence and Dependent Policy as National Security Strategy“(『総合政策論集』9巻1号、東北文化学園大学総合政策学部、2010年3月、111-118頁)
7)「東西欧州貿易の歴史的意味―冷戦期におけるECの経済外交戦略―」(『ロシア・ユーラシア経済―研究と資料―』No.926、ユーラシア研究所、2009年9月号、2-21頁)
8)「経済的相互依存と外交政策―日中関係を事例として―」(『総合政策論集』7巻1号、東北文化学園大学総合政策学部、2008年3月、93-104頁)
9)「EU拡大をめぐる合理主義と構成主義の検討― F.Schimmelfennig等による構成主義分析と合理主義の接点―」 (『総合政策論集』6巻1号、東北文化学園大学総合政策学部、2007年3月、89-104頁)
10)「冷戦後の欧州における安全保障秩序―NATOの東方拡大とOSCEの展開およびEUの安全保障政策―」(『総合政策論集』2巻2号、東北文化学園大学総合政策学部、2003年3月、45-63頁)
11)「EUの東方拡大と財政改革―『アジェンダ2000』とベルリン欧州理事会を中心として―」(『経済学』62巻3号、東北大学経済学会、2000年12月、519-540頁)
12)「冷戦期における西欧諸国の対ソ連政治経済戦略―新冷戦までの東西貿易を中心として―」(『経済学』60巻4号、東北大学経済学会、1999年1月、637-654頁)

主な地域・社会貢献活動

宮城県民大学・講師など。

主な学内活動

入試部長(2023.04~)

その他

【出身地】 仙台市
【趣味】 歩くこと