尚絅学院大学

学校教育学類 お知らせ

【学校教育学類】授業紹介「教職実践演習」地域に学ぶ教師になる

2025/12/11

学部4年間の締めくくりが卒業研究であるならば、教員養成課程4年間の締めくくりはなんでしょうか?もちろん、人それぞれに答えがありそうです。そして学校教育学類のカリキュラムの中で問うなら、それは4年次後期開講の「教職実践演習」だと言えます。

 

大学には講義科目のほかに演習・実習科目が存在し、後者の科目は実践重視。演習科目である「教職実践演習」でもさまざまな活動を行い、その一つが、地域の文脈と記憶を重視した校外学習です。11月の晴れた日、4年生が震災遺構である荒浜小学校を訪問しました。

震災遺構仙台市立荒浜小学校

震災遺構仙台市立荒浜小学校

「教職実践演習」の目的の一つには、教師としての使命感や責任感を得ていくことが含まれています。この演習では、「教師として、またこの地(宮城・東北)に生きる一人の人間として、どうあればよいのかという問いに目を向けて欲しい」との願いを込めて、校外学習を設定しています。

校舎裏側のひしゃげた給食室窓

校舎裏側のひしゃげた給食室窓

見学の翌週、教室に戻った履修者たちは、荒浜小学校のことや見学の教育的な意味についてまとめたポスターを持ち寄りました。4年生は、今後、現場では子ども達に作品を作成する指導をする側になる教師の卵。それぞれの観点で発表・検討し合う姿がありました。

授業風景

授業風景

発表時間中、一人の学生が次のように語りました。

 

「想像つかないじゃないですか。普通にあったものが、壊れていくって。でも起こった。――どうやって伝えていくか、本当に大事だな、と(思った)。」

授業風景

授業風景

実在の重み、出来事の迫力は、いつでも人の予想や情報をはみ出ていきます。その力に向き合い、そこから新たな問いを引き受けること。このことこそが一つの実践的な学びの形なのだと、改めて気付かされた演習でした。

 

(文責:梶川 萌)