尚絅学院大学

環境構想学科 お知らせ

春休み企画 高校生のためのエコツアー「持続可能な農業は?」報告(環境構想学科)

2017/04/05

大学体験プログラム。名取市にある名取北釜ファームと宮城県農業園芸総合研究所の現場を見学。震災復興をめざす宮城の農業について、高校生と大学生が一緒になって考えることができました。

第5回高校生のためのエコツアー日程

日時 2017年3月27日(月)9時仙台駅集合〜17時30分解散
日程 10:00〜11:30 農業生産法人 名取北釜ファームの見学(名取市下増田)
   12:00〜13:00 昼食(尚絅学院大学)
   13:20〜14:50 宮城県農業・園芸総合研究所の見学(名取市高舘)
   15:10〜16:45 まとめのグループワーク(尚絅学院大学 1-410アクティブラーニング室) 


 

名取北釜ファームの復興の取り組みは?

名取北釜ファームの復興の取り組みは?

名取北釜ファームの見学

仙台駅で高校生3名、環境構想学科の大学生スタッフ7名、教員3名が合流。午前中は名取市海岸部にある名取北釜ファームを訪問。震災で失われた農地・農業を復興するためにどのような取り組みがあるかを学びました。

はじめに、北釜地区の震災時の状況と再建についてうかがいました。北釜字屋敷の集落は、震災前には約400人が居住。古くから砂質土壌をいかしたメロン栽培や、チンゲン菜など葉物を主要生産物とする100余の農家がコミュニティを形成していました。しかし、2011年の津波で56人が亡くなり、農業地も農機具も全てを失いました。

被災した農家7軒の恊働により、2016年「農業生産法人北釜ファーム」を設立。北釜の地域で育まれた農業文化と技術を次世代に受け継ぎながら、持続可能な「新しい農業価値」と「地域コミュニティ」を形成することを目指しています。今、生産者が求められているのは、安心して消費者が食べられるやさい栽培であり、そのための土壌、農薬、残留放射能検査、栄養分析など管理体制の徹底がなされていました。北釜ファームのブランド力をあげるための企画についても、説明してくださいました。

今後、知名度をあげることが大切なので、名取の広報誌「ハナモモ通信」で情報発信してもらえて嬉しい!(丁度、取材担当の3年生が参加していました)。また大学生に6月17日開催の北釜to楽市(トラック市)でも販売スタッフとして参加してもらえたら・・・など、尚絅学院大学の学生への期待が大きいことも感じました。

レクチャー後に、実際に現在144棟あるハウスのうち、小松菜を栽培しているハウスを見学をしました。砂質土壌に生育した小松菜を収穫中でした。砂はさらさらして収穫しやすく、汚れがなくきれいにそろった葉物の美しさに感動。また葉を生で食べさせてもらい、みずみずしいおいしさにも驚きました。大きさ、固さをそろえるために摘出した部分も、再度土に戻され無駄にすることはないそうです。ハウス内の水やり、日当りや温度管理の方法も教えていただきました。その後、出荷作業の現場も見学できました。
 

ハウス内で小松菜収穫の見学

ハウス内で小松菜収穫の見学


 

安全・安心な小松菜がみずみずしくて美味!

安全・安心な小松菜がみずみずしくて美味!

宮城県農業・園芸総合研究所の見学

尚絅学院大学で昼食後、午後は、地元の名取市にある宮城県農業・園芸総合研究所に見学に行きました。最初に、研究所の研究体制についてレクチャーを受けました。津波で大きな被害を受けた農地を復興するため、また、持続可能な農業、環境保全型農業の発展のためにどんな研究がなされているのか、事例を紹介してくださいました。病害虫を効率的に防ぐために、キャベツの畝の間に背の低い植物を植えるリビングマルチの技術など、環境保全型農業について、興味深いお話をうかがうことができました。
宮城の新しい苺苗を開発中、もうすぐお目見えするのでは?という耳寄りの話も聞けました。

レクチャー後に、ハウスの見学。園芸栽培部のメロン、苺の栽培技術開発の試験研究現場を見せていただきました。メロンはいくつかの品種の育成の違い、苺は新しい苗の品種改良の取り組みが見学できました。

市場に出るまで、苗の改良から、一般の生産品として完成するまでに、たくさんの人の努力があることを改めて実感しました。

 

宮城県農業・園芸総合研究所でメロン栽培の見学

宮城県農業・園芸総合研究所でメロン栽培の見学

高校生と大学生でグループディスカッション

大学に戻り、大川亘先生(専門:園芸生産・社会園芸)の司会進行のもと、高校生と大学生がグループになり、見学してきたことを振りかえり、理解したことや課題について、話し合いました。付箋を使って、気づいたことや課題のキーワードを書き、それを眺めながら図式化して、グループの考えをまとめました。
最後に、グループのまとめを発表。大学生がファシリテーターをしましたが、まとめの発表は高校生も行いました。北釜ファームの小松菜から作ったスムージーと農業試験場の苺を試食もしました。

<高校生の感想>
農業に対する考え方が変わりました。今日一日で、いろんなことを知ることができました。野菜を作るとき、こんなに手間がかかっているとは思いませんでした。しっかり感謝して食べようと改めて思いました。またグループディスカッションでは、先輩達のリードで円滑かつ簡潔に意見がまとまられました。私も場をまとめられる力を養いたいです。

東日本大震災で農業を営むことが困難になったことを知りました。皆が美味しく野菜を食べられるように営業者が一生懸命いろいろな対策を練りながらビニールハウスの畑で野菜を育てていることを学んで、感謝の気持ちを伝えること、いろいろな人に役立つように努力する大切さを実感することができました。グループワークは緊張しましたが、今後につながる貴重な体験でした。

<大学生スタッフの感想>
北釜ファームでは、野菜栽培の話以外にも、失われた地域コミュニティを再生するために、海岸林再生プロジェクトでボランティアではなく地域の雇用を生み出す形をとるなど、様々な工夫があることを知りました。現在は北釜の知名度が低く、大学生が協力することでできることもあるので、情報発信していきたいと思いました。

宮城県農業・園芸総合研究所では、環境に優しい技術開発が行われており、害虫を防ぐために生物多様性を高めていく話を聞きました。持続可能な農業のあり方が興味深かったです。

高校生が自主的に取り組む姿勢がすばらしかったです。高校生は知識が少ないけれど、私達とは違った目線で話し合うことができました。他のグループの意見も聞き、視野が広がりました。スムージーと苺が美味しかったです!

★次回の予告★ 
夏休み企画 第6回高校生のためのエコツアー(8月予定)ぜひ、参加して下さい。


 

高校生と大学生と一緒にグループディスカッション

高校生と大学生と一緒にグループディスカッション

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