尚絅学院大学

尚絅学院大学開学20周年
リレーエッセイ

11月のリレーエッセイ:「イベントを通して成長する学生、そして大学」 (本学教授 渡邊千恵子)

2023/11/06

皆さま、こんにちは。人文社会学類の渡邊千恵子です。1991年に着任し、今年で33年目を迎えています。今回のリレーエッセイのテーマは「大学イベント」。私の記憶をもとに思い出深い取り組みを振り返ります。

 

尚絅学院大学の現在のイベントとして挙げるとすれば、「SDGsマルシェ(環境マルシェとしてスタート2016~)」「大学生と考えるSDGs(2018~)」、「インクルーシブスポーツキャラバン(2021~)」があります。どれも継続して実施していること、社会連携の要素が強いことが特徴です。

直近の「第6回 大学生と考えるSDGs」では、学生実行委員会が中央太平洋のキリバス共和国で起こっている気候変動とその影響を私たちはどうとらえていくのかをテーマにプログラムを企画しました。そのプロセスの中で学生たちは多くの方々と関わりを持つことができました。

これらのイベントは地域の様々なステークホルダー(企業、高校、行政、団体など)と学生、教職員とが関係を築くよい機会となります。私もこれらのイベントを通して、実に多くの方々とつながることができました。地域社会において尚絅学院大学と言えば「SDGs」という認識が広まったのは、これらの取り組みの継続によるものでしょう。

 

私の尚絅ライフを振り返ってみますと、短大時代より大学になってからの方が様々な取り組みが活発になったように思います。全学的なイベントという意味では、オープンキャンバスや尚志祭が印象的です。オープンキャンパスでは各学科が趣向を凝らした企画を立て、実に賑やかで活気にあふれたものでした。

学類になってからも多くの方が参加してくださり「お祭りなのかしら?」というくらいの賑わいでした。尚志祭も、地域の皆さんが大勢集まるとともに、卒業生の交流の場となっていました。コロナの期間は人と人との交流が停滞してしまいましたが、またこの賑わいを取り戻していきたいものです。今年の尚志祭に開催したホームカミングデーは実に賑やかでした。一回で終わることなく、続いていくことを願っています。

この他にも、表現文化学科が白石市と名取市をフィールドに実施した「尚絅メディアフェスタ」、環境構想学科の高大連携企画「高校生のためのエコツアー」、TASKIの「名取復興音楽祭」、そして「中学校バレーボール大会尚絅カップ」が私の心に強く残っています。

 

大学が企画するイベントだけでなく、様々な地域のイベントに学生が参加することが多くなったのも大学になってからの特徴です。各学科・学類では、学びに関連するイベントなどに学生がどんどん参加して、経験を積んでいきました。すべての取り組みについて把握できているわけではありませんが、先生方が熱心に授業やサークル活動などを通して取り組まれている様子を見てまいりました。
 

ここでは、私が学生と参加してきたイベントを振り返ってみます。2007年に尚絅学院大学に生活環境学科が新設され、その時から私の地域活動の道が始まりました。参加してきたイベントは、「環境フォーラム」、「エコフェスタ」、「アースディ東北」、「MELONフェスタ」、「長町秋のフェスティバル」、「SDGs Week」、「ゆりが丘公民館まつり」等々。環境に関連するイベントが多く、「カーボンオフセットの紙芝居」や「雑紙分別釣り堀ゲーム」、「フェアトレードのガラスビーズを使ったアクセサリー作り」、「フェアトレードのチョコレートの紹介・販売」など様々な取り組みをしてきました。ある時はメディアテーク、またある時は仙台市民広場、ぐりりパーク、錦町公園などと学生たちと出かけていきました。楽しそうに準備をしている学生、活動している学生を眺めているのが好きでした。
 


なかでも「長町秋のフェスティバル」での「Nスコーレ! 子どもたち集まれ!!」は、本学の地域実践コースの学生が企画し、児童文化部、服飾サークル、環境活動サークルの協力を得て実施したイベントで、コロナ前の2年間実施しましたが、長町地域の子どもたちの心をわしづかみにしました。このイベントでは長町中学校、仙台南高校とも連携し、中高大の生徒・学生が一緒に活動することができたのです。これはまさにアメイジングなことです。 この活動は言葉で言い尽くせないほど大変でしたが、学生が本当によくやってくれましたし、その成長は目を見張るものでした。また、地域の皆さまが学生を支えてくださったことも忘れることはできません。

 

こうして振り返ってみて思うことは、尚絅学院大学は生きているということ。その時代に応じて必要なこと、求められることを実行し、学生を育てるとともに、大学としても育っているということです。

卒業生の皆さんも、在校生の皆さんも、尚絅学院大学で取り組んだ何かがあることでしょう。その時の経験や感じた気持ちは、今のあなたを動かしています。困難な時を迎えようとしていますが、尚絅学院大学はこれからも生き続ける、そんな気持ちで満たされています。