尚絅学院大学

尚絅学院大学×SDGs

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SDGs×商店街

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加藤 隆 氏 プロフィール

1968年宮城県仙台市生まれ。宮城県立仙台南高校、東北福祉大学社会福祉学部産業福祉学科卒業後、1991年ゼビオ株式会社に入社。ゼビオスポーツに配属となり県内外の店舗で店長・マネージャー職として勤務。その後、2013年に仙台長町副都心のゼビオアリーナ仙台に配属となり、営業・施設運営の業務とともに地域連携事業「長町秋のフェスティバル」の企画・運営に携わる。2019年にゼビオ株式会社を退職し、現在は、長町商店街を中心とした地域活性化活動を行いながら、まちづくり会社設立(法人化)に向け準備中。

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長町商店街は、仙台市南部の交通拠点としてJR長町駅を中心に旧国道南4号線を南北約2kmにわたって広がる商店街です。歴史は古く、江戸時代早々より宿場町として栄え、奥州街道と笹谷街道の交わる物流の拠点ともなっていて多くの人、物の往来により発展してきました。現在は、「長町駅前商店街振興組合」「サンカトゥール商店街振興組合」「長町一丁目商店街振興組合」の3つの振興組合にて活動が行われ、長町商店街連合会がそれをまとめ各種伝統行事を含むイベント等を行っています。

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長町地区は、地下鉄南北線の開業、モール長町を中心とする地下鉄長町南駅の開発等で以前より人の流れが大きく変化してきており、近年では「あすと長町」の開発も進みマンションの建設ラッシュ等による新規住民の増加がいちじるしくなっています。さらに大型集客施設(イベント施設、広域集客型大型店等)の出店もあり、目的をもっての来街者の往来も多くなっています。そこで、長町商店街としては、来街者の商店街回遊性の向上、地域PR等にむけたイベントを企画・開催が多く行われて来ています。

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そのような中で、商店街では地域の環境と反比例する問題もあります。

商店街の組合員の減少(後継者不足、店主の高齢化等)等により、伝統行事やその他イベントへの協力者が固定化されており、その協力者の多くの高齢化も進んでいます。さらに各店舗の店主が協力者となっておりそれぞれの業務負担も増加しているため、現状のままでは各行事の継続の危機に面しています。継続できなくなると商店街への回遊性も低下し商店街を核とする地域コミュニティの限界、さらには地域防犯に対しても影響が出てきます。また、今のまま無理に継続しても、それぞれの負担が増加し店舗運営自体が厳しくなることが予想されます。

継続するためには商店街としての活動と店舗運営を分けて考える必要があります。

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継続にあたっては、「ヒト」の問題が核となっておりその問題を解決することが打開の一つとなります。「ヒト」については、地域住民の力が必要ですが、今後継続して地域活動を行え、地域や商店街との利害関係も少ない「学生世代」の人材を活用できないか考えました。現在、長町地域はJR、地下鉄、路線バスを利用し通学する「学生」の姿は多くみられますが、地域活動の中ではその存在が薄くなっています。長町地区(長町商店街)というフィールドでの活動を「学生世代」の協力を得ること、または与えることにより、学生たちは、社会活動の実践の場、様々な世代との交流による自己啓発等多くの経験を得ることができます。そこで、学校関係者等各所へ相談して実行に移したのが地域若者連携団体の「Nスコーレ」です。

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Nスコーレは、大学生世代、高校生世代、中学生世代の3つ世代の主体的に活動するメンバーが中心となり連携し、多くを巻き込んで地域課題解決を目指すチームとなっています。その活動を地域企業、商店街による支援・サポートや、地域学校関係者、公的機関(区役所等)の協力を得ながら実行していきます。現在は「長町秋のフェスティバル企画・実行チーム」「学びのWaチーム」「広報活動チーム」の3つのチーム編成にて活動していますが、昨年11月の「長町秋のフェスティバル」では大学生・高校生・中学生約50名が運営する企画が行われ約1,000名近い方々に来場いただき対応をしました。現在まだまだ試行錯誤での活動になっていますが、今後はさらに地域活動の幅を広げ、さらに長町商店街を含む地域全体の活性化の中心になれるようサポート体制も強化していきます。

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商店街は、古くから地域経済・地域コミュニティの中心となっており、今後の継続については長町商店街だけの問題ではなく全国的な課題となっています。対策については各地域様々な事を実行しており、成功事例も多くなってきています。しかし、活動内容については地域性もありすべてに対応しているわけではありません。商店街活動の継続性を高めるのは「ヒト・モノ・カネ・情報」の動きを活発化させることは必要であり、その一つでもある「ヒト」の動きを活発化させることが「Nスコーレ」の活動テーマとなります。商店街活動の継続性向上については「今」と「将来」をそれぞれ考え、行動に移さなければなりませんが、まずは、「ヒト」の動きの活発化から得られるサイクルは地域に好循環をもたらすと考え、今後も商店街を中心とした地域経済・地域コミュニティの活性に向けてチャレンジしていきます。地域活性に向けた活動についての具体案等、様々な方からのご意見をいただけると幸いです。

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