【2025春のバスツアー活動報告】学生たちが語る震災と支援の現在
2025/05/31
TASKIの発足時から長年お世話になっている長沼町内会長の話に触れ、学生たちが感じた使命感や交流の様子について語られています。
2025春のバスツアー
5月24日(土)に実施した恒例の閖上バスツアーには、18名の学生が参加しました。
このバスツアーでは、TASKIの活動理念やこれまでの取り組みに関する勉強会に加え、閖上中央町内会長である長沼俊幸氏の講演を通じて、学生たちは新たな知見を得て、今後の活動に活かす貴重な機会となりました。また、共通の学びを深める中で、新しい交流が生まれる機会にもなりました。
学生の感想(人文社会学類2年)
今回のバスツアーは昨年に続き2回目の参加となりましたが、改めて閖上中央町内会長の長沼俊幸さんのお話をお聞きし、TASKIが活動を続ける意義を再認識することができました。
震災から年月が経ち、街は復興しているように見えますが、いまだに住民の方々の心は、変わり果てた街の姿や人間関係から立ち直れていません。このことから、今後も永続的な支援が必要であると感じました。現在も閖上地区で活動しているボランティアチームはTASKIだけであるため、今後も住民に寄り添い、心の支えになることが私たちに課せられた使命だと強く感じています。
今回明らかになった事実として、日和山の神社にある樹木の傷は、がれきがぶつかってできた傷であり、日和山の頂上まで津波が来たというお話は非常に重要で、興味深く感じました。これは今後、津波の恐ろしさを伝える一つの根拠になると考えます。また、国土地理院が公開している地図は震災の翌日に撮影されたもので、本来ならば長沼さんが救助される前の自宅の屋根にいる様子が写っているはずが写っておらず、事実と異なる点があるというお話や、語り部タクシーのガイドが事実と異なる話を参加者に伝えていたのではないかというお話を初めて聞き、非常に興味を惹かれました。もしそれが事実であれば、偽の情報を伝えていたことになり、非常に大きな問題だと感じました。
TASKIは震災後、ボランティアセンターの学生有志チームから始まり、今日まで閖上地区の復興の支えとして、歴代の先輩方が繋いできた歴史ある団体です。この想いを私たちが引き継ぎ、次世代に繋いでいくことも同様に大切なことだと、ツアー全体を通じて感じました。
昨年度はあまり活動できなかったため、2025年度は積極的に活動に参加し、閖上地区の心の復興に関われるよう、責任感を持って活動していきたいです。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
学生の感想(心理学類4年)
本日は、長沼さんの仮設住宅に関するお話が非常に重要だと感じました。私はこれまで、震災の被害そのものに関する情報を多く取り入れてきました。もちろん、被害の話を伝えていくことも重要です。しかし、仮設住宅の状況が閖上や能登半島などを含めて今も変わっていないことを長沼さんからお聞きし、それは伝えるべきだと感じました。そして、それを伝える私たちは、長沼さんのように被災された方から直接お話を聞き、正確な情報を伝えることが重要であると強く感じています。
また、伝えるだけでなく、私は将来心理師になりたいと考えているため、支える役割も担えるようになりたいと考えるきっかけにもなりました。長沼さんのお話では、悲しいことに、仮設住宅での生活において食に対するストレスや他人から見られているストレスなどから攻撃的になってしまう人も多くいたと伺いました。これは、普段慣れない環境から来る外的要因によるストレスを発散したいという昇華から来る反応であるため、こういった方を心理師が支えられるようになれば、仮設住宅の生活に変化をもたらすことができると私は考えています。そのため、TASKIの活動とこれからの心理学の勉強を活かしていきたいです。
学生の感想(心理学類1年)
私自身、震災当時は3、4歳くらいで記憶が曖昧な部分も多いですが、それでも地震や津波の映像に対する恐怖ははっきりと覚えています。今回お話を聞き、改めて震災の恐ろしさや被災者への支援・対応の難しさ、そして伝え続けることの大切さを学ぶことができました。