【実施報告】2025年度みやぎ県民大学講座(第1回)が開講されました
2025/09/25
9月17日(水)尚絅学院大学多目的ホールにて、2025年度みやぎ県民大学講座が開講されました。
みやぎ県民大学講座とは、県民の皆様に多様な学びの機会を提供するため、宮城県の委託事業として県内の教育機関が所有する知的財産を地域社会に開放している学校等開放講座です。
2025年度は「災害時の避難を考える」をテーマに4回にわたって開講されました。
開講式では、地域連携センター長の東門田教授が挨拶し、今年度のテーマの意義や目的についてお話がありました。
第1回は「災害復興とコミュニティ」と題して、本学総合人間科学系 社会部門 高木 竜輔 教授を講師として講座が行われました。
本講座では、近年多発する災害を踏まえ、地域コミュニティの役割について考えました。
まず「災害とは何か」という視点から、災害は単なる自然現象ではなく、ハザードの発生に対して社会がどのように受け止め、備えるかによって形づくられる「社会的な現象」であることが示されました。
その上で、防災・減災対応には、①ハザードの特性を知ること ②社会の防災力を高めること ③公助・共助・自助の連携が必要であると整理されました。
特に近年、災害現場では共助による対応、つまりコミュニティ防災が求められるようになったことが示されました。
次に、災害対応においては「移動」の視点が重要であるとし、避難時の支援が必要な人への対応や、高齢者の移動手段の確保、被災後の生活再建など、多くの場面で移動の問題が大きな課題となることが紹介されました。
さらに、自主防災組織の事例からは、防災・復興の政策が人々の「定住」を前提としているために、実際の取り組みが難しくなっている現状が紹介されました。地域の実情に応じた柔軟な対応が必要であることが強調されました。
最後に、地域コミュニティの姿は一様ではなく、それぞれの地域に適した形で取り組むことが重要であるとの考えが示されました。
今回の講座を通じて、災害対応や復興の中で、地域の特性や人々の移動の実態に目を向けることの大切さを学ぶ機会となりました。
------------------「みやぎ県民大学講座」-----------------
「災害時の避難を考える」
【第1回】9月 17日(水)
「災害復興とコミュニティ」
講師:高木 竜輔(尚絅学院大学社会部門 教授)
【第2回】9月17日(水)
「災害時の食事」
講師:髙橋 睦子(尚絅学院大学 客員教授)
【第3回】9月18日(木)
「学校避難所」
講師:五十嵐 誓(尚絅学院大学教育部門 教授)
【第4回】9月18日(木)
「避難所運営ワークショップ」
講師:渡邊 千恵子(尚絅学院大学社会部門 教授)
地域連携センター