尚絅学院大学

「日本語で留学生と楽しく話そう♪」日本語学習会⑤の報告


今回は子ども学科の田村嘉勝先生の司会で行われました。プレゼンテーターは現代社会学科3年のグエン タン ドーさん(ベトナム出身)と表現文化学科4年のイスラム ムハマド アミヌルさん(バングラディシュ出身)のお二人です。グエンさんは児童虐待について、イスラムさんは自らの“就活体験”について発表しました。

「児童虐待」を防止する~グエンさんが考えたこと~

ベトナム人留学生のグエンさんは、児童虐待について自身の考えを発表しました。日本では昔から「躾(しつけ)」と称して親から子どもへの“暴力”が日常的に行われてきました。しかし、最近では、子どもの頃に親から暴力を受けた子どもが、自身が成長して親になった時に、同じように自分の子供に“暴力”を振る傾向にあるとの調査結果が明らかになり、社会問題になっています。このことは日本に限らず、他の留学生たちも異口同音に述べていることからも分かる通り、万国共通で親は自分の子どもに対し、つい叩いたり小突いたりしてしまうようです。グエンさんはこの他にも言葉の暴力にも言及し、親は子どもに対してコミュニケーションを取り、言葉を尽くして理解させることが大切だとも述べていました。

外国人留学生の“シュウカツ(就活)”について~

外国人が異国の地で就職することがいかに困難であるか、イスラムさんのお話を聞いてつくづく感じました。新聞やテレビのニュースでは、総合スーパーや大手服飾メーカーなどが外国人を大量に採用したことが話題になりました。しかし、イスラムさんが調べたところ、実際には日本の企業の約6割にあたる会社が新卒の留学生は応募対象になっていないことが分かった、との衝撃的な報告がありました。では、なぜそのような中でイスラムさんは日本の企業に就職が出来たのでしょうか?彼は留学生の“シュウカツ(就活)”のノウハウについて、後輩の留学生にとって参考になる点をいくつか挙げて説明してくれました。その中で特に印象的だったのは、エントリーシートを企業に送る際に、仙台国際交流協会でのボランティア活動を強くアピールしたことや、NHK-BS1のテレビ番組に採り上げられたことなどを挙げ、何事にも積極的に取り組んでいる自分の姿を企業に伝えることができた点を強調していました。また、社長との面接のシーンでは、将来の自分の姿を問われた際に、自ら会社を立ち上げたいと独立心の旺盛さをアピールし、採用に至った点などです。今後、日本社会のグローバル化がますます加速され、現に関東地方のある市町村では人口の1割以上が外国人という地域が存在しています。このような傾向は「人手不足」の日本社会においてはしばらく続くものと思われます。

“違い”を理解すること

今回は、中国人留学生のほかに、ベトナム人留学生やその友人の日本人学生も参加してくれました。プレゼンテーターの留学生はもとより、様々な国の異なる“習慣”についてお話を聞いて意見交換するだけで、ちょっとした「異文化体験&異文化交流」になると思います。『国際交流』などというと、ついつい大げさに堅苦しく考えてしまうのですが、意外に身近なところに存在することに気付かされます。さまざまな国の人と出会い、お互いに理解しあうことは、偏見や誤解を取り払い、お互いの“違い”を理解し、寛容な心を養ううえで、とても大事なプロセスだと思います。そのための「きっかけ」となるような企画を私たち学生生活部では提案していきたいと思いますので、少しでも興味のある方はぜひ一度覗いて見てください。

ベトナム人留学生のグエン タン ドーさん

ベトナム人留学生のグエン タン ドーさん

バングラディシュ人留学生のイスラム ムハマド アミヌルさん

バングラディシュ人留学生のイスラム ムハマド アミヌルさん

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