食品ロスを減らすためには

まだ食べられるのに捨てられる食品を、食品ロスと定義する。食品ロス削減について、レストランなどから出る事業系廃棄物と、家から出る家庭系廃棄物のふたつの視点から調査を行った。その結果、食材の過剰除去と、さまざまな削減方法の組み合わせに効果があることが分かった。

1 主張

家庭系廃棄物からは過剰除去から出る食品ロスを減らすことによって、家庭から出る食品ロス全体を大幅に減らすことができる。

事業系廃棄物では、家庭系と同じように過剰除去を減らす取り組みを行うことが大切である。また、成分分解やコンポストなど、新たな方法を組み合わせることで、さらに食品ロスを減らすことができると考える。

2 論証

主張に至る根拠について記述する。

2-1

消費者庁によるアンケート(グラフ1)によると、食品ロスを知っているかどうかに関わらず、食品ロスの対策をしている人は、食品ロスについて知っていても知らなくても、多くいる。

グラフ1
グラフ2 グラフ3

農林水産省が調査した家庭から出る食品ロスの原因(グラフ2)と、消費者庁が調査した自らが思い当たる家庭から出る食品ロスの原因(グラフ3)を比較すると、本来、1番食品ロスが出る原因である過剰除去が、グラフ3では1番少ないことが分かる。これらのことから、食品ロスについて、対策している人はいても、過剰除去から多く出ることを知らないため、過剰除去について対策されていないことが分かる。よって、過剰除去の対策をすることによって、家庭から出る食品ロスを大幅に減らせると考えられる。

表1
2-2

表1は実際に野菜を使った時の廃棄率を調べ、日本食品標準成分表に記載されている廃棄率を比較した結果である。成分表に記載されている廃棄率より、実際の廃棄率の方が低い野菜もあるが、ほとんどの野菜が、記載されている廃棄率より実際の廃棄率の方が、多く出たことが分かる。そして消費者庁による食品ロスを発生させない(食品を無駄にしない)ために自らが取り組んでる行動についての調査の結果では、「残さず食べる」が、64.7%、「料理を作りすぎない」が44.9%、「賞味期限が過ぎてもすぐに捨てるのではなく、自分で食べれるか判断する」が、44.1%であった。このことから、直接廃棄と食べ残しをした時がほとんどであることがが分かる。これらのことから、過剰除去から出る食品ロスは1度に出るロスが少ないため、もったいないと感じられないのかもしれない。しかし、過剰除去はほかの原因と比べロスする頻度が多いので、結果的に1番多く出る。よって、毎日の対策が大事になってくる。

2-3

農林水産省が発表する食品ロスのデータについて、数値をグラフ化したものがグラフ4である(データは一部抜粋)。白色の部分が食品由来の廃棄物量(可食部と考えられる量を含む。)であり、そのうち可食部と考えられる量、すなわち食品ロス量が灰色で示している。また、食品由来の廃棄物量(可食部と考えられる量を含む。)のうち、焼却、埋立処分等の量は黒色で示している。

グラフ4から、廃棄量自体は事業系廃棄物が多いものの、最終的に焼却や埋め立てをした量は家庭系廃棄物のほうが多いことがわかる。つまり、家庭系廃棄物と事業系廃棄物では、捨てられている食料の種類や再利用状況に大きな違いがみられるのだ。

グラフ4
表2

2-4

表2に、食品ロスを減らすのに効果的と思われるものの例を挙げた。

表2からわかることは、これらの取り組みには長所も短所もあるということである。例えば、表1中の「成分の分解」では、糖を生分解プラスチックとして再利用するというものだが、現在一般にはあまり普及しておらず、利用することが難しい。したがって、これらのうちのどれか1つに頼るばかりでは、食品ロスを減らすことにはつながらないことがほとんどである。

よって、過剰除去の削減とともに、表2にあるような活動を複数組み合わせることで、食品ロスをさらに減らすことができると考える。

3 まとめ

家庭系廃棄物では、過剰除去を減らすことが最も大切なことであり、また、事業系廃棄物では、これに加え、ドギーバッグやコンポストなどの様々な削減方法を効果的に組み合わせることで、食品ロスを減らすことができると主張する。

気仙沼高校 小山英介、齋藤葉月

プロフィール

小山英介と申します。嫌いな食べ物はなく、ご飯を残さないことだけが取り柄です。ご飯を残さず食べる人は多いと思いますが、それだけでは食品ロス問題は解決しないのが現状です。自分たちの研究で、少しでも食品ロスについて知ってもらいたいです。

齋藤葉月と申します。好きな食べ物は唐揚げで、習字が得意です。私たちの研究に目を留めていただきありがとうございます!

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