尚絅学院大学

人間心理学科 お知らせ

模擬授業紹介 人はなぜ他人を助けるのだろうか? [人間心理学科 水田惠三]

2015/07/25


高校や本学で行っている授業紹介です。私は社会心理学の立場から説明します。
聖書に援助行動の話が出てきます。

「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗たちの手中に落ちた。彼らは彼の衣をはぎ、殴りつけ、半殺しにして去って行った。道行く人は誰も助けませんでした。ところが、旅行していたあるサマリア人が、彼のところにやって来た。彼を見ると、哀れみに動かされ、彼に近づき、その傷に油とぶどう酒を注いで包帯をしてやった。彼を自分の家畜に乗せて、宿屋に連れて行き、世話をした。次の日、出発するとき、デナリオンを取り出してそこの主人に渡して、言った、『この人の世話をして欲しい。何でもこれ以外の出費があれば、わたしが戻って来たときに返金するから』。 イエスは言った。「行って、同じようにしなさい」。

 イエスはたとえ話が上手です。
 社会心理学ではある事件をきっかけに人を助ける行動が研究されるようになりました。

 キャサリンジェノベーゼ事件では、深夜に自宅アパート前でキャサリン・ジェノヴィーズ(1935年-1964年)が暴漢に襲われた際、彼女の叫び声で付近の住民38人が事件に気づき目撃していたにもかかわらず、誰一人警察に通報せず助けにも入らなかったというものである(ただし深夜だったので「女性が襲われている現場」を目撃したわけではない住民も含まれている可能性がある)。結局、暴漢がその後二度現場に戻り、彼女を傷害・強姦したにもかかわらずその間誰も助けには来ず、彼女は死亡してしまい、当時のマスコミは都会人の冷淡さとしてこの事件を大々的に報道した。

 このニュースを聞いた ラタネとダーリィは実験を重ね
 •   人はその場にいる人が多ければ多いほど人を助けない
 •   責任の分散理論
 •   誰かが助けるであろうという心理
 という結論を導き出しました。

この授業では、人を援助することを強制するものではなく、思いやりの気持ちがあっても人を助けないことは多々あり、人を助け、自分も助けなくては本当の援助にならないことを強調します。


[人間心理学科 教授 水田惠三]

講義資料01

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講義資料02

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講義資料03

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