尚絅学院大学

人間心理学科 お知らせ

バス停での割り込みを減らすには?[人間心理 田島]

2017/01/09

 私の担当する「卒業研究」では、学生はある特定の行動に着目しそれを変えることを試みます。今年度、1人の学生が取り組んだテーマは「尚絅学院大学前バス停での割り込みを減らす」でした。
 尚絅学院大前バス停で観察を行った結果、バス待ち行列に並んだ人の約6%が行列の途中に割り込んだ人で占められていました。また、割り込み者の多くは自分の友人がいる所へ割り込んでいるようでした。自分の友人がいる所へ割り込むと、バスに早く乗れるというメリットに加えて、その友人とおしゃべりできるというメリットも生じます。その一方で、割り込みを拒絶されるというデメリットが生じる可能性は低く抑えられます。バス待ち行列を構成する人の大半が本学学生で占められている尚絅学院大前バス停は、行動分析学的には割り込みが特に発生しやすい場所であると言えるでしょう。
 今回の研究では、割り込みを減らすためにバス停の近くにポスターを掲示した看板を設置することにしました。問題はそのポスターの内容です。どのようなポスターを掲示すれば割り込みを減らすことができるでしょうか。
 まず思い付くのは「割り込み禁止」というメッセージが書かれたポスターでしょう。このような「〇〇禁止」というメッセージは日常生活でよく見かけるのですが、行動分析学の視点からはあまり効果がないと考えられます。このメッセージは、禁止されたことをすることによって生じるデメリットについて何も教えてくれないからです。
 そこで、今回の研究では、自分の友人がいる所へ割り込む人があまり気づいていなさそうなデメリット―割り込み先が自分の友人であっても嫌な気分にさせてしまっている可能性が高いということ―を知らせるメッセージを書いたポスターを掲示することにしました(図1)。果たして、その結果は…。

文責: 人間心理学科 教授 田島裕之

図1 バス停近くに設置した看板

図1 バス停近くに設置した看板

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