尚絅学院大学

人文社会学類 お知らせ

人文社会学群、新入生の皆様へ

2020/03/17

今年度、尚絅学院大学が新入生をお迎えするのは、当初予定していた4月初旬ではなくなりました。このことは、本学にとっては、2011年の東日本大震災の時以来の出来事です。

 新型コロナウイルスが、パンデミックという世界的な大流行となり、その影響で、入学式など、さまざまな日程に大幅変更がありました。おそらく、皆さんも、変則的な卒業式あるいは卒業式の中止、さらに、大学の入学時期の変更を前に、なんとなく「空白感」を感じているかもしれません。

 しかし、尚絅学院大学は皆様の入学をお待ちしております。

  


この入学までの、一種の空白期間に、これまで考えてきたことを、これからのことをゆっくり考えて、整理してください。大学に入学した時に、「さあ、これから何をしようかな」というのではなく、「これから、このことを実現するために取り組もう」という明確な目標をもてるように、この「大切な端境期」を活用することを、お勧めします。もちろん、大学から求められている課題も。


さらに、もう一つ、人文社会学群に入学する皆さんに、ぜひ、注意して、頭をはたらかせておいてほしいことがあります。それは、新型コロナウイルスによって、さまざまな行事が中止になり、正常な社会生活が一部止まっています。それは、「社会が止まっている」とも言い換えることができます。こうした、おそらく、皆さんのこれからの人生のなかでも「稀有な」経験をしていることを感じ、「社会が止まる」って、どんなことなんだろう、どんな社会の影響が広がっているんだろう、人々はどんな普段とは違う生活をしているのだろうと、ゆっくり観察してください。人間と社会の観察です。それを自分なりに、整理し、それを書き留めておくことは、大学に入って、さまざまな学問を学ぶことに必ず役立ちます。

 授業開始までの時間を、単なる「空白の時間」にするのではなく、「めったに経験できない、貴重な人間と社会を観察できる時間」と考えて、この間の時間を大切にしてください。そうした経験を活かしながら勉強ができるよう、尚絅学院大学で、われわれ教員は、みなさまをお待ちしております。

                                                           人文社会学群長 田中 重好