尚絅(しょうけい)子ども学科教授陣OMEP韓国大会で発表
2016/09/27
尚絅(しょうけい)子ども学科の教授陣と研究班が、過日OMEP(世界幼児教育機構)の韓国大会で研究発表を行なってきました。代表の岩倉先生(元子ども学科教授)が以下の記事を書いてくださいました。お読みください。
韓国ソウルの梨花女子大学で
「核発電所事故の放射能汚染で奪われた保育を全国に、世界に訴える〜子どもの利益の代弁者である保育者が語りはじめたこと〜」(尚絅学院大学放射線研究班 代表 岩倉政城附属幼稚園長)
ここ韓国ソウルの梨花女子大学で、日本の保育者が写真をみせて訴えました。
「皆さん観て下さい。この子たちはミミズを触りたいんです。でも私たち保育者が触ることを禁じました。だからこの子たちはミミズを指差しして見るだけしかできないでいます」。(遠藤美保子原町聖愛こども園園長)
イギリス、アルゼンチン、シンガポール、中国、沢山の聴衆の前に立って訴えました。会場は水を打ったように静まりかえりました。
自然は子どもの教師
土を起こせば虫が現れ、種をまけば芽をふき、水をやれば花が咲き、季節が巡ればキュウリが実り、これに味噌を付けて食べたらどんな野菜嫌いも吹っ飛ぶ。それが自然という、汲めども尽きない子どもの教師です。
ところが保育者は、2011年の核発電所事故による放射能汚染で、その自然から子どもを引き離すという無念を味わいました。その無念と屈辱を晴らすには、核発電所事故は起こってしまったら取り返しの付かない自然の汚染をもたらすことを、世界に知らせなければなりません。
こうして保育者は今年の夏韓国に飛び、世界幼児教育機構(OMEP)総会で福島の保育が放射能汚染の脅威にさらされていることを訴えたのです。
子どもの利益の代弁者
保育士倫理綱領に「私たちは、一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え・・・子どもの立場に立ってそれを代弁します」とあります。目の前の子どもに誠実に向き合うだけでなく、保育者には社会に対してこんなに大きな役割を担うことが望まれています。
保育者を目指す学びを通して「子どもの利益の代弁者」ということばをどうぞ深めて下さい。